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  1. 大阪府議会 2022-09-01
    12月14日-13号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    令和 4年  9月 定例会本会議(2)    第十三号 十二月十四日(水)◯議員出欠状況(出席八十二人 欠席二人 欠員四)      一番  中川誠太議員(出席)      二番  前田将臣議員(〃)      三番  牛尾治朗議員(〃)      四番  坂 こうき議員(〃)      五番  魚森ゴータロー議員(〃)      六番  角谷庄一議員(〃)      七番  三橋弘幸議員(〃)      八番  西元宗一議員(〃)      九番  松浪ケンタ議員(〃)      十番  塩川憲史議員(〃)     十一番  須田 旭議員(〃)     十二番  奥谷正実議員(〃)     十三番  西村日加留議員(〃)     十四番  山田けんた議員(欠席)     十五番  野々上 愛議員(出席)     十六番  内海公仁議員(〃)     十七番  石川たえ議員(〃)     十八番  冨田忠泰議員(〃)     十九番  うらべ走馬議員(〃)     二十番  西川訓史議員(〃)    二十一番  原田 亮議員(〃)    二十二番  原田こうじ議員(〃)    二十三番  中井もとき議員(〃)    二十四番  奥田悦雄議員(〃)    二十五番  中野 剛議員(〃)    二十六番  みよしかおる議員(〃)    二十七番  中川嘉彦議員(〃)    二十八番  岡沢龍一議員(〃)    二十九番  山本真吾議員(〃)     三十番  上田健二議員(出席)    三十一番  永井公大議員(〃)    三十二番  前田洋輔議員(〃)    三十三番  中川あきひと議員(〃)    三十四番  おきた浩之議員(〃)    三十五番  紀田 馨議員(〃)    三十六番  いらはら 勉議員(〃)    三十七番   欠員    三十八番   欠員    三十九番  河崎大樹議員(〃)     四十番  泰江まさき議員(〃)    四十一番  西林克敏議員(〃)    四十二番  松浪武久議員(〃)    四十三番  広野瑞穂議員(〃)    四十四番  植田正裕議員(〃)    四十五番  笹川 理議員(〃)    四十六番  横山英幸議員(〃)    四十七番  杉江友介議員(〃)    四十八番  徳村さとる議員(〃)    四十九番  金城克典議員(〃)     五十番  橋本和昌議員(〃)    五十一番  藤村昌隆議員(〃)    五十二番  中村広美議員(〃)    五十三番  山下浩昭議員(〃)    五十四番  大橋章夫議員(〃)    五十五番  肥後洋一朗議員(〃)    五十六番  内海久子議員(〃)    五十七番  加治木一彦議員(〃)    五十八番  八重樫善幸議員(〃)    五十九番  杉本太平議員(〃)     六十番  徳永愼市議員(〃)    六十一番  しかた松男議員(〃)    六十二番   欠員    六十三番  西 惠司議員(欠席)    六十四番  西野修平議員(出席)    六十五番  川岡栄一議員(〃)    六十六番  大山明彦議員(〃)    六十七番  垣見大志朗議員(〃)    六十八番  林 啓二議員(〃)    六十九番  和田賢治議員(〃)     七十番  富田武彦議員(〃)    七十一番  中野稔子議員(〃)    七十二番  坂上敏也議員(〃)    七十三番  中谷恭典議員(〃)    七十四番  久谷眞敬議員(〃)    七十五番  鈴木 憲議員(〃)    七十六番  西田 薫議員(〃)    七十七番  森 和臣議員(〃)    七十八番   欠員    七十九番  松本利明議員(〃)     八十番  西野弘一議員(〃)    八十一番  土井達也議員(〃)    八十二番  三田勝久議員(〃)    八十三番  大橋一功議員(〃)    八十四番  岩木 均議員(〃)    八十五番  横倉廉幸議員(〃)    八十六番  三浦寿子議員(〃)    八十七番  三宅史明議員(〃)    八十八番  奴井和幸議員(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         松井芳和     次長         大河内隆生     議事課長       杉山智博     参事         佐藤 実     総括補佐       高山泰司     主査(議事総括)   太上利宏    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第十三号 令和四年十二月十四日(水曜日)午後一時開議 第一 議案第三十六号から第六十四号まで及び報告第四十二号から第五十号まで(「令和四年度大阪府一般会計補正予算(第九号)の件」ほか三十七件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○議長(森和臣) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○議長(森和臣) 日程第一、議案第三十六号から第六十四号まで及び報告第四十二号から第五十号まで、令和四年度大阪府一般会計補正予算(第九号)の件外三十七件を一括議題といたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(森和臣) ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 なお、議場内はパーティションを設置しており、また機械換気により空気を常時入れ替えておりますので、演壇での発言につきましては、発言を分かりやすくするためマスクを外して行っていただきますようお願いいたします。 通告により鈴木憲議員を指名いたします。鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 大阪維新の会の鈴木憲です。 通告に従いまして、質問いたします。 まず初めに、大阪府職員の人事について伺います。 私はこの間、あるべき大阪府の組織体制や幹部職員の再就職、部長公募など、人事に関する論点について議論してまいりました。それは、府議会議員として活動する上で、ここが弱いかなとか、何でこの論点についてかみ合わへんのやろと感じる場面が増えてきたという実感からであります。今日は、取りまとめ的に議論をさせていただければと思います。 現行の体制が整ってから二十年、また職員基本条例ができてから十年が経過しています。ところどころ、さびや綻びも出てきているのではないかと危惧しています。 例えば、部長公募です。レポートと数度の面接で、大きな行政組織をマネジメントするにふさわしい人材かどうか判断できるんでしょうか。中には、明らかに失敗であったと思われる事例もあります。日本を代表するような企業で、外部人材ではうまくいかず内部登用に戻す事例もあります。 また、例えば、二年前に私の提案で、相対評価結果の生涯賃金への影響について見直しも行っていただきました人事評価制度です。職員の皆さんには、行政の職場における緊張感という意味で、一定の成果があったものと思いますが、アンケートなどでは間違いなく様々な意見もありました。 さらに、職員の採用試験や昇任試験ですが、企業方式に近づけ受験しやすくなっていますが、行政マンに求められる力は一般の企業に求められるものと同じかということ。私は、行政の本分は、法律や条例に基づいて着実に仕事を進めることであり、また行政マンに求められることは、理解力や文章力、そして法的素養だと思います。 改めて、府の組織体制や人事などに関する諸制度について、総務部長に課題認識をお尋ねいたします。 ○議長(森和臣) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) 本府では、極めて厳しい財政状況の下で、平成十年代を中心に約十年間にわたりまして、採用の凍結をはじめといたします極端な採用抑制を行い、大幅な人員削減を行っておりました。 結果といたしまして、その時期に採用し、入庁していただいた、現在四十歳代となっております職員の層が極めて薄くなっております。これらの世代が、今後十年以内に幹部職員の適齢期となってくることから、いかに適正な競争を確保した上で、優秀な人材を幹部職員として登用していくのかが、非常に大きな課題となっているところでございます。 また、現在のスリムな組織体制は確保しつつ、新たな行政課題に的確に対応していくため、職員個々人のスキルアップを図ることにより、実質的なマンパワーを向上させていくことが必要でございます。 あわせまして、これら様々な行政課題に、効率的、効果的に対応をしていくことができる体制を整備することが求められているところでございます。 このような課題を踏まえた上で、組織、職制や人事制度を考えていく必要があるものと認識をしております。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 私は、決して今の運用を批判しているのではありません。大阪府は、与えられた条件で可能な限りのことをなされていると思っています。 一方で大阪府は、ポストコロナ、ポスト万博をにらみ、また財政再建にめどをつけて、二〇五〇年を目標とした新たなグランドデザインを示して飛躍しようとしています。 府の組織を動かすのは人であり、常にアップデートが必要です。国においても、公務員志望者の減少や若手職員の退職、幹部職員の不祥事、時間外労働など、制度疲労ではないかという実情を目にいたします。 そこで、国はどのような問題意識の下で、どのような対策を講じようとしているのか。また、府においても、組織体制や人事制度について、一旦仕切り直して新たな気持ちで取り組むべき時期ではないでしょうか。 総務省の御出身で、国家公務員の実情にも詳しく、また総務部を御担当いただいている海老原副知事にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 海老原副知事。 ◎副知事(海老原諭) まず、国における人事制度ですが、現在、お尋ねにもありましたように、学生の公務員離れが顕著となっております。今後さらに、民間企業等との人材獲得競争が熾烈になってくることが想定されますことから、優秀な人材の確保が最も大きな課題となっております。 そのため、採用試験制度の見直しや、民間との人事交流の円滑化などに加えまして、他の国でも類を見ないような長時間労働の改善に向けた取組が進められていると承知しております。 長時間労働の是正には、従来の取組と併せまして、現在、終業から次の日の始業まで一定の時間を空ける、勤務間のインターバルの導入についてなどの議論も行われているところでありまして、これらの動きを引き続き注視していきたいと思います。 次に、府の組織体制や人事制度についてであります。 組織の大枠の見直しや職員基本条例の制定から十年以上が経過をし、この間、府を取り巻く状況も大きく変化してきております。 そのため、現在の組織体制が行政ニーズや職員の年齢構成に沿ったものとなっているのか、また人事制度が職員のやる気やスキルアップにつながるものとなっているのかといった観点から、議員お示しの点も含め点検を行い、府民ニーズに的確に対応できる組織、人員体制を構築していきたいと考えております。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 日本の成長を牽引する副首都大阪の確立を目指すために、最も大切な大阪府の人事、組織体制をしっかりと整えていただきますよう求めておきたいと思います。 次に、私の地元南河内を縦断する広域農道の活用についてお伺いをいたします。 私は、昨年の二月議会の一般質問において、南河内の道路ネットワークの脆弱さの解消を目指すものの、いつできるか分からない大阪南部高速道路の代替として、既存ストックの活用、財政負担をかけない観点から、南河内グリーンロードの機能強化を提案いたしました。また、沿道のフルーツ生産に着目し、グリーンロード南河内フルーツロードとしてPRして、活性化を図ることを提案しました。 この議場において、部長から極めて前向きに御答弁をいただき、フルーツロードの名称と地域活性化のための重要な役割について、知事とも議論をさせていただきました。 今回の一般質問に当たり、大阪のまちづくりグランドデザイン案の勉強をしていて発見しましたが、このフルーツロードの写真を掲載していただいています。しかし、残念ながら、掲載されている写真はグリーンロードのままであります。 そこで、このグランドデザイン案は、全庁で作業をされていると思いますが、環境農林水産部長は御存じだったでしょうか。私たちとの議場における議論を軽んじているのではないとは思いますが、確認の意味も含めて部長に伺います。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 南河内地域の山間部を南北に貫く広域農道は、ブドウをはじめとするフルーツ等の生産地と消費地をつなぐことで、都市農業の振興を図るとともに、多様な地域資源のネットワークを形成し、地域の活性化を図る上で重要な役割を担っているものと認識しております。 議場での議論を踏まえ、今年度、道路管理者でもある沿線の市町村に対しヒアリングを実施し、広域農道の機能強化や地域活性化について、意見等をお伺いいたしました。今後、都市整備部や市町村と情報を共有し、連携して対応してまいります。 こうした役割への期待から、現状ではグリーンロードの名称のままであり、また掲載されている写真まで思いが至りませんでしたが、大阪のまちづくりグランドデザイン案におきましても、広域農道が位置づけられているところでございます。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 丹後前所長のときの昨年十二月二日と、塩屋現所長の今年の十月二日には、吉村知事が南河内にお越しくださり、南河内農と緑の総合事務所と地元町村がコミットした様々な取組や仕掛けを行っていただきました。 中でも、南河内フルーツマルシェが盛大に行われ、この写真は知事がイチジクを使った料理を作られた後の集合写真でありますが、左のもずやんの右隣が同郷の須田議員でございます。そして、なぜかこの写真のど真ん中に、この地域とはほとんど関係のない大阪府民も写っているのが分かると思いますが、それはさておき、知事自らが南河内フルーツロードを生かした事業に取り組んでくださっています。 しかしながら、先ほども指摘いたしましたが、案内標識や看板、府の資料などはグリーンロードのままであり、フルーツロードのPRも全く耳にしません。現在の検討状況と、環境農林水産部としての本気度を部長に伺います。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 本府では、農と食をテーマとした地域活性化を図るため、沿線の農業者や観光事業者、市町村等が参加する南河内フルーツプラットフォームを令和三年度に設立し、取組を進めているところでございます。 具体的には、知事参加の下、イチゴやイチジクの魅力を紹介するとともに、広域農道を活用し、クラシックカー等の愛好者と連携して、南河内フルーツをPRするイベントを開催いたしました。また、阪神百貨店でのイチゴのプロモーションや、二上山での山頂マルシェの開催等を行っております。 これらの取組により、南河内フルーツの認知度を高めてきましたことから、今後、グリーンロードからフルーツロードへの愛称変更に向け、地元市町村と協議を進めていくとともに、さらなるPRに努めてまいります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。
    ◆(鈴木憲議員) 引き続き、ぜひともしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたしておきます。 次に、今も触れましたが、グランドデザインについて伺います。 現在、都市計画局において策定作業中の大阪のまちづくりグランドデザイン案は、既存の二つのグランドデザインを整理、統合し、二〇五〇年に向けた大阪全体のまちづくりの方向性を示すもので、十二月九日にパブリックコメントを終えました。 総花的になってはいけないという観点から、拠点エリアや軸を設定して、そこを中心として大阪全体を活性化していこうとする手法は理解いたします。 一方で、拠点と軸を強調する結果、谷間ができています。 私の地元南河内地域で例えると、一部を除き、戦略一において、南部大阪中枢エリアからも、また南阪奈都市軸活性化エリア大阪高野都市軸郊外拠点エリアからも離れています。 強いて言えば、周辺山系の自然資源等を活用したまちづくりや、多様な地域資源を生かした魅力あふれる都市空間の形成など、戦略三には該当しますが、府域全体のことでありまして、現在、基礎自治体が取り組んでいる当たり前のことばかりが載っています。やはり住民は、この狭い大阪というフィールドにおいて、戦略一の成長発展を牽引する拠点エリアを形成から取り残されていると感じるのではないでしょうか。 もちろん、拠点や軸にだけお金や人、知恵を投じるということではないと私は信じています。しかし、新たなグランドデザインを策定するというのであれば、特定の拠点や軸を殊さらに取り上げるのではなく、等しく納税していただいている幅広い地域の住民にしっかりと心配りをするのが、大阪府の役割だと思っています。 谷間となる地域を、今回策定する新たなグランドデザインにおいてどのように位置づけ、地域を活性化していこうと考えているのか、都市計画局長に伺います。 ○議長(森和臣) 角田大阪都市計画局長。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史) 新しいグランドデザインにおきましては、拠点エリアの形成とともに、大阪ならではの魅力を生かした新しい郊外の創造をはじめとした、暮らしやすさナンバーワン都市の実現や、多様な地域資源を生かした地域活性化等の戦略を位置づけており、相互に連携しながら進めていくことが必要と考えております。 例えば、南河内地域では、泉北、狭山、金剛ニュータウンをはじめとする大阪高野都市軸郊外拠点エリアにおきまして、地域の交通網を生かし、周辺の市街地や自然環境、農空間、歴史文化等の地域資源を有する山麓地域と連携することが重要と考えます。 このような考え方の下、今後、地域の活性化など、グランドデザインの推進に向けましては、関係部局と共にまちづくりに取り組む市町村等との情報共有や意見交換等を行い、地域課題等に応じ、多様な主体と連携した体制を構築するなど、府として広域的な役割を果たしてまいります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) グランドデザイン案では、大阪高野都市軸は泉州・南河内地域の核となる拠点エリアと定義されていますが、そもそも誰が決めたんでしょうか。日本における東京や大阪といった場合であればともかく、大阪府が勝手に、近鉄沿線を含まずに南海沿線だけだと決めつけて、例えば富田林の皆さんの腑に落ちるんでしょうか。 また、府内全域で多くの地域が拠点や軸として位置づけされた結果、それ以外の位置づけされていない地域が強調される結果になっています。例えば、谷間となる私の地元の南河内--富田林、太子、河南、千早赤阪が成長発展を牽引するエリアではないということが、図らずとも強調されています。 しかも、先日の我が会派の河崎議員の議論では、拠点性を発揮すべきエリアを示すことで、公民連携の下、新たな民間投資の誘発とともに、多様な主体の参画等によりエリア価値の向上を目指すと御答弁をされ、平たく言いますと、価値の向上を目指すエリアとそうでないエリアがあるということが前提になっています。 それぞれの地域には住民が住み、活動し、働き、等しく税金を払っています。端っこやからとか田舎やからとか谷間やからといって税金が決して安いわけでもありませんし、地域に対する思いやプライドがあります。それを大阪府が勝手に核などと決め、その結果、谷間の地域をつくってもいいのかということであります。 もちろん、行政計画であり、我々議員が関与できる議決を要する議案や予算案でも何もないことは承知しています。しかしながら、大阪のグランドデザインという以上、大阪府民全員が将来に夢と希望を紡いでいただけるプランであり、そのためにパブリックコメントがあるのではないでしょうか。 さらには、府民を代表する我々議員も意見を表明する意味があります。大阪府市の優秀なまちづくりの専門家が集まっているわけですから、もう少し工夫や思いやりがあってもええんかなというふうに思っています。 本日は、私の地元南河内を一例に挙げましたが、グランドデザインの基本的な考え方の問題でありますので、改めて都市計画局長に伺います。 ○議長(森和臣) 角田大阪都市計画局長。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史) 新しいグランドデザインでは、拠点エリアのみならずその周辺地域においても、各地域のまちづくりに差が生じないよう、各戦略の取組を相互連携させながら、まちづくりを推進していくことが重要と認識しております。 本日、鈴木議員からいただいた御指摘や、これまでの議会での御議論、パブリックコメント、南河内における実例等を踏まえて、各戦略の取組の相互連携を明確にするなど、年末の取りまとめに向けまして、グランドデザインの内容の見直しを進めていきます。 今後、このグランドデザインの下に、民間の活力を引き出しながら、多様な主体が一体となって大阪全体のまちづくりを推進し、便利で住みやすく、そして成長する大阪を目指してまいります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 狭いようで広い大阪です。様々な地域において人々が暮らし、活動し、働いています。 大阪の将来のビジョンは、大阪で生きる全ての人々のためのものであるべきだと私は思います。本日申し上げた観点を心に留め置いていただき、すばらしいグランドデザインに仕上げていただくことをお願い申し上げます。 さて、グランドデザインの実現には、民間、基礎自治体、そして広域自治体である大阪府が、三位一体となって取り組んでいくことが重要であります。 この数年間、私が継続して問題提起し、取組を進めている基礎自治機能の強化なくして三位一体は成り立たないと私は考えています。なぜなら今後の急激な高齢化、人口減少は財政に大きな影響を及ぼし、小規模自治体ほど厳しい見通しとならざるを得ないことから、三位一体のプレーヤーになれないからであります。 これまで、行財政改革や広域連携といった取組は進められてきていましたが、それだけでは対応できないという問題意識から、私は市町村合併が不可欠であると考え、機会あるごとに議論をしてまいりました。 今年度から私の地元南河内地域では、大阪府と太子町、河南町、千早赤阪村の二町一村と共同で勉強会を実施していますが、具体的にはどういったことをなされているのか、総務部長に伺います。 ○議長(森和臣) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) 今後の行政課題への対応方策といたしまして、市町村合併も、地域の状況により有効な選択肢になり得ると認識をしております。 一方で、住民の理解が不可欠でございますため、府といたしまして、市町村におきまして目指す未来像についてのオープンな議論が活発に行われるよう取り組んでいるところでございます。 現在、他の地域に先行しまして、南河内地域の二町一村と共同で実施をしております勉強会におきまして、地域での公共施設の最適配置など、行財政改革や広域連携を検討しております。府といたしましては、令和五年度からこれらに加えて、合併も含めた検討を求めているところでございます。 今後、首長と意見交換をした上で、今年度中に勉強会の成果を公表する予定としており、引き続き将来の在り方につきましても積極的に議論を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 合併も念頭に、様々な実務的要素から研究しているようですが、合併議論において大切なのは市町村の財政です。住民も関心が深く、より公平な基準で、よりリアルな数字を地域住民に提供して、人口統計を含め、将来予測を行い、自治体のあるべき姿、ふるさとのあるべき姿を住民と共に考えていくことが、選挙で選ばれた私たち政治家の使命です。 しかしながら、市町村独自で作成されている財政シミュレーションには、大阪府が関わっていないことも多いと聞いております。 府が関わり、統一的な中長期財政シミュレーションは、広域的視野でつくれるメリットがあります。全ての市町村に府がコミットできるよう、強く働きかけるべきだと思います。また、市町村振興補助金についても、市町村の取組に応じて配分するなど、しっかりめり張りをつけ、インセンティブとして市町村の頑張りを後押ししていくべきだと考えますが、併せて総務部長に伺います。 ○議長(森和臣) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) 中長期財政シミュレーションにつきましては、人口減少や高齢化がもたらす課題への対応方策を検討するため、令和二年度から町村と共同で作成をしてきたところでございます。 このように府がしっかりと関与しながら、統一的な基準で中長期財政シミュレーションを作成することは、将来の在り方を検討する上で非常に重要であることから、令和三年度からは市にも広く提案するとともに、個別に働きかけを行いまして、現在、複数の団体と具体的な調整を行っているところでございます。 市町村振興補助金につきましては、頑張る市町村へのインセンティブとなるように、令和五年度から制度を見直すこととしておりまして、中長期財政シミュレーションのほか、南河内地域での勉強会といった先進的な取組をしっかりと後押ししながら、その横展開によりまして、府域全体において取組を促進することで、府内市町村の基礎自治機能の充実強化に向けて、スピード感を持って取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) これまでから、繰り返し合併の検討を求めてきました私としては、保身に走らず覚悟を持ち、現在の状況から将来のあるべき姿を見据えて、公選の首長自らの動きが出てきたことに敬意を表し、次なる議論のステップに大いに期待をしたいと思います。 そして、このような南河内の首長の動きが大阪府域全域でなされるよう、まずは少なくとも維新の首長が十九人もいますので、率先垂範、取り組んでいくべきでありますが、大阪府としても、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。 そして、中長期財政シミュレーションの作成ですが、市町村任せにせず、大阪府の責任として、統一的な基準でしっかりと中身を共有してください。 また、市町村振興補助金の見直しに当たっては、頑張る市町村とそうでないところにしっかりとめり張りをつけて配分することで後押しし、より頑張る市町村を応援できるようにお願いしておきます。 さて、基礎自治機能の強化について議論いたしましたが、大切なのは住民意思の把握や反映です。議会制民主主義は、議員が住民の民意を酌み取り、議会で議論し、意思決定をしていくプロセスです。 そこで次に、投票率向上に向けた取組について伺います。 最近の各級の選挙のたびに、若年層の政治離れが懸念され、投票率は一向に向上の兆しが見えません。 さきの国会では、我が党の岩谷良平議員から、投票率の向上には選挙啓発や主権者教育が重要である旨の質疑があり、私も全く同感でして、府における今後の取組に期待をしています。 ところで、来年四月に予定されている統一地方選挙は、原則、令和五年三月一日から五月三十一日までに任期が満了となる長または議員の選挙が対象ですが、特例法により、六月一日から十日までの間に任期が満了する長の選挙も、自治体の判断で統一地方選挙として実施することができます。 このように対象を拡大し、統一率を高めることは、国民の地方選挙に対する関心を高めるという統一地方選挙の目的に合致いたします。 ところが、先週末、堺市長選挙について、全くもって情けない、そして市民の皆さんに説明できない驚くべき決定がなされました。 六月八日に任期を迎える堺市長選挙は、来年、大阪では唯一、この特例法によって統一地方選挙として実施できるにもかかわらず、堺市選挙管理委員会が六月の単独選挙の実施を決定いたしました。 選管委員の中には、対象が多くなると真っ当な判断ができなくなるといった意見があった、また投開票事務の集計ミスや遅れなどが懸念されていた、さらには選挙管理委員長が、単独で実施したほうが有権者が候補者の施策について理解を深められると発言されたとの報道もあります。 いずれも、堺市民や堺市職員を本当にばかにした発言であるとしか、私は思えません。この長引くコロナ禍において、また急激な物価上昇で厳しい生活を強いられる市民も数多くいる中で、日程を統一することによって削減できる約一億一千万円でどれほどの方が救われることでしょうか。 せっかくの特例法の趣旨をも否定する今回の判断について、立場上、非常に難しいとは思いますが、選挙管理委員長の御見解を伺いたいと思います。 ○議長(森和臣) 新田谷選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(新田谷修司) お答えいたします。 堺市選挙管理委員会は、複数の選挙を同時に実施するメリット、デメリットなどを比較して、堺市長選挙は単独選挙とすることを十二月十日に決定したとのことであります。 かつて、私の住む泉佐野市では、平成十二年二月六日に知事選挙、市長選挙、府議補選、市議補選の四つの選挙が同日に行われました。 そのときに、有権者には大きな混乱は見受けられず、一方、その知事選挙の投票率は、当日の知事選挙は統一選挙から単独選挙になっておりましたので、府域全体では前回の五三・二四%から四四・五八%と、大きく低下いたしました。 一方で、たまたま四つの選挙を同時にしました泉佐野市域では、知事選挙の投票率が六〇・五七%と、大きく上昇するメリットがありました。私は、このメリットを無視するわけにはいけないと思っております。 いずれにしろ、選挙期日については、堺市選挙管理委員会において十分な検討がなされた上で決定されたものであると考えております。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 委員長の実体験を交えての御答弁、ありがとうございました。 ここで関連しますので、ぜひとも私は知事の受け止めをお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか。お願いします。 ○議長(森和臣) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 堺における堺市長選挙ですから、決定するのは、権限があるのは堺市の選挙管理委員会だというふうには思います。 ただ、非常に残念で、私の意見としては、もうとんでもない判断だなというふうに思って残念でなりません。 一億一千万円の税金を余分にかけてまで二か月ずらす選挙をすると。そして、たしか四年前、令和元年の選挙は、それはどうしてもそうなったわけですけれども、そのときの統一地方選挙の投票率は約五〇%、堺の市長選挙単独で行われましたけども、二か月後四一%です。なぜ、あえて投票率を下げる選択肢を選挙管理委員会が判断するのか、全くもって理解できません。堺市民の皆さんもその二か月の間に二度、一度で済む選挙、統一選挙であれば済むのに、二度足を運んでくださいとするわけであります。 選挙の事務の話もありましたけど、選挙の事務というのは、先ほど大阪府の選管委員長からもありましたし、実際、大阪市においても、同じ政令市で四つの選挙は前回も行われましたが、問題なく実施をされています。逆に言うと、それをするのがある意味、仕事なわけであります。 そういったことを考えると、今回の堺市の選管の判断は本当に残念だなと。それに従うしかないわけですけれども、非常に残念でならないです。きちんと説明をしてもらいたいと、そう思います。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) さて、府の統一率は、約四割程度にすぎず、とても統一地方選挙とは言えない状況でありまして、私は昨年二月議会の一般質問で、多くの方に選挙に関心を持っていただくことと、厳しい財政状況の中での選挙費用の効率化の両立を図るため、統一地方選挙における府内選挙の日程再統一を検討してはどうかと提案いたしましたが、その後の検討状況について、選挙管理委員長に伺います。 ○議長(森和臣) 新田谷選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(新田谷修司) 広範な選挙日程の統一には、立法措置が必要であることから、今年の都道府県選挙管理委員会連合会において、国への要望について議論いたしましたところ、長や議員の任期延長に対する懸念の声があり、国への要望には至りませんでしたが、引き続き同連合会などの場で議論を継続してまいりたいと考えております。 また、その上で、あくまでも個人的な見解ではありますが、一挙に全ての地方選挙の日程を統一地方選挙に合わせるのではなく、まずは長と議員の選挙を同日にしてはどうかと考えております。 具体的には、選挙が同日になるよう、長や議員の任期を最大一年短縮あるいは延長することで、同日とする。また、任期途中で長が欠けた場合の新しい長の任期は、原則、前任者の残余期間とし、残余期間が一年未満であるときに限り、任期を最大五年とする。長が議会を解散した場合は、議員の選挙に加え長の選挙も同日に行い、現職の長が再選したときの新しい任期も四年とするという法律をつくれば、継続的に同日選挙が実施されるのではないかと考えております。 あくまでも個人的な意見でありますので、こうしたアイデアを基に議論が交わされることで、全国知事会など地方六団体の関係者の皆様からも、選挙日程の統一に向けた機運が高まることを期待するものであります。 ○議長(森和臣) 鈴木憲議員。 ◆(鈴木憲議員) 選挙日程の統一に向けては、昨年三月には委員長からも、国を動かすためにはもっと機運を高めた上で国に働きかけていくことが重要との答弁をいただきました。広域自治体である大阪府の役割として、府内市町村と大いに議論をし、機運醸成をお願いしたいと思います。 最後に、住民の安全安心の観点から、ミサイルの落下に対して一点要望したいと思います。 一昨日の本会議で我が会派の山本真吾議員から、ミサイル落下時の行動の周知啓発についての質問がありました。 大雨、地震、津波、原発、さらにはミサイル落下などに関し、災害対策基本法や地震防災対策特別措置法、国民保護法など、担当省庁等がそれぞれの観点から別々に法律をつくり、市町村に対して要領やマニュアルを作成するように求めています。 しかし、それらが地元でしっかりと有機的に統合され、市町村職員や住民の腑に落ちていなければ意味がありません。全く経験のないミサイルについて、どれほどの住民や行政職員が、具体的に避難をイメージしているでしょうか。 現在の日本には、防空ごうなどはありませんし、らしきものといっても地下鉄や地下街ですが、ほんの一部のみでありまして、加えて私は、そもそも逃げる時間なんてあるんかと、また素朴な疑問を感じていますし、Jアラートについても正直全くぴんときていません。 大阪府内では、避難実施要領パターンを作成していない自治体もあるようですが、住民の意識はそのようなレベル感ではなく、多くのマニュアルや要領を一つ一つ住民に把握するよう求めても難しいのが実情だと思います。 広域自治体の大阪府として、住民の危機管理意識のレベルそのものを高め、分かりやすくリアリティーのある方策が取り組まれるよう創意工夫して、府内市町村を先導していただきますようお願いしておきます。 この機会に、私の最後の一般質問作成におきまして、党担の職員、名前は言えませんが、市岡さんと、それから私の事務所の秘書の支えに心から感謝申し上げます。 そして、今回の私の質問に対して真正面から向き合い、誠意ある御答弁をしてくださった部局長の皆さんと選挙管理委員長に心から御礼を申し上げまして、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。 ○議長(森和臣) 次に、野々上愛議員を指名いたします。野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 民主ネット大阪府議会議員団、野々上愛です。 今回は、大きく五つのテーマについて質問をいたします。 まず最初に、第三者暴力行為への対応についてです。 昨今、鉄道事業者等の職員に対する暴力行為、またカスタマーハラスメントが社会問題となっております。特に、年末年始に差しかかりまして、こういった繁忙期はトラブルが増加傾向にあると言い、コロナ禍でも休むことなく最前線に立ち続けたエッセンシャルワーカーの皆さんが、非常に大きなストレスにさらされ続けております。 働く者の安全安心の確保が、特に公共交通機関の現場では安全運行にも直結することから、これは広く府民全体に関わる問題とも言え、社会的に影響が大きいのが、この公共交通機関の現場における第三者暴力行為であります。 そこで、大阪府警として、鉄道施設内をはじめとした公共交通現場における犯罪行為を未然に防止するために、現状、どのような取組を実施しておられるか、警察本部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 野村警察本部長。 ◎警察本部長(野村護) 大阪府警察におきましては、相次ぐ列車内の事件を受け、犯罪の未然防止を図るため、鉄道事業者と緊密に連携しながら、駅の改札口周辺や駅ホームなど鉄道施設での警戒活動、列車内の巡回活動を強化しているところでございます。 昨年十二月十七日には、鉄道事業者等と相互の協力体制をより一層強化し、官民一体で鉄道利用者の安全確保に努めるため、在阪の鉄道事業者十五社、国土交通省近畿運輸局との間で、鉄道利用者の安全確保に関する包括連携協定を締結いたしました。 本協定締結後は、鉄道事業者と協力して、非常事態を想定した合同対応訓練を積極的に実施するとともに、鉄道利用者の安全安心の確保に向けた取組を随時進めているところでございます。 今後も、本協定を通じて、警察と鉄道事業者等が一体となった安全対策を講じ、鉄道施設内における各種犯罪の未然防止、抑止活動に努めてまいります。 また、鉄道事業者の職員に対する暴力行為は、鉄道の安全運行に支障を来すおそれも考えられますことから、鉄道事業者の職員の安全確保につきましても、適切に対応してまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 本部長の御答弁、ありがとうございました。 犯罪行為に対する警察の毅然とした対応はもちろん、未然防止の観点から、暴力行為にもつながりがちであるカスタマーハラスメントに対する対応、カスハラはいけないことであるというメッセージが明確に伝わっていくことも重要です。 事業者と連携した取組についてお聞かせいただきましたけれども、事業者、そして鉄道従事者のメンタルダウンを招くなど、年々深刻化するこれらの問題については、ほかのあらゆる現場のカスハラの問題も含めて対応を進めていくことが重要かと思います。 十月の本会議では、西野修平議員からもこの問題についての提起がありましたけれども、私からもこれ、個人的な見解ではありますけれども、例えば大阪府の迷惑防止条例の対象行為にこのカスタマーハラスメントを含めていって、さらに対応を検討、議論を深めていくというようなことも有効かとも思います。 いずれにせよ、府民の安全、働く労働者の安全、しっかりと大阪府一丸となって取り組む議論を深めていただければと思います。 次のテーマに移ります。 続きましては、大阪府におけるインクルーシブ教育の今後について、お伺いをいたします。 今年四月二十七日の文部科学省通知、特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について、こちらを受けまして、昨日の本会議でも大橋議員より質問がなされました。 府内市町村では、改めて個々の子どもの障がいの状況に応じて、どういった教育課程が効果的であるかを検討し、保護者とも協議した上で、一人一人の教育ニーズに適した学びの場の検討が行われていることや、大阪府の通常の学級、通級による指導、支援学級、さらに支援学校といった多様な学びの場の整備に努めていることについての御答弁があったところです。 さて、今回の文科省通知を受け、次年度は多くの市町村での通級指導教室の増設に向けた取組が進められております。自治体によっては、その設置数が二倍、三倍と増えるところもありまして、人員確保、さらに指導に当たる教職員の皆さんへの研修の実施などが急がれるところです。 支援学級を選んでも、通級指導教室を選ぶにしても、児童生徒本人、保護者と丁寧な合意形成を図り、これまでの子どもたちの学びと育ちが途切れることのないように、特段の配慮をお願いしたいところです。 さて、前置きが長くなりましたけれども、今般の文科省通知に伴いまして、支援学級から通級指導へ学びの場を変更する子どもが、恐らく非常に多く出てくるのかなと思いますけれども、通級による指導を利用する子どもは通常学級の在籍となりますので、小中学校ではこれまで以上に通常の学級における配慮や支援を充実させる必要があると考えます。 そこで、各市町村における通常の学級での対応状況や、それに対する府の働きかけについて、教育長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 支援や配慮を必要とする児童生徒が、安心して通常の学級においても過ごせるよう、府としてはこれまでから、通常の学級には、発達障がいなど支援を必要とする児童生徒が在籍していることを前提に、全ての教科等において指導、支援の充実を図るよう、市町村教育委員会に指導助言を行っております。 今回の文部科学省通知を受け、障がいのある児童生徒の生活介助や、学習支援等の業務を行う支援員を増員するなど、制度の拡充に向けて検討を進めている市町村があるというふうに聞いております。 このため、多様な教育的ニーズに対応するための人材を配置するなど、市町村がきめ細かい対応ができますように、国に対して一層の財源措置を要望してまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 御答弁ありがとうございました。国に対する一層の財源措置ということで、とにもかくにも、やっぱり大阪府がしっかりとお金を取ってきて、市町村の現場を豊かなものにしていくことが重要かと思います。 さて、昨日、文科省による通常学級に在籍する特別な支援教育を必要とする児童生徒に関する調査結果というものが公表されまして、これ、十年ぶりの調査だそうなんですけれども、全国の公立小中学校の通常学級に通う児童の約八・八%に発達障がいの可能性があるという報告が、報道をされました。三十五人学級に換算しますと、三名ぐらいの数字ということだそうなんです。 支援学級、通常学級の別なく、大阪がこれまで取り組んできたインクルーシブ教育の意義、底力というのが問われる、そんな時代だと思います。ぜひ、今後の取組をしっかりと進めていただきたいと思います。 さて、これに関しまして、四月の文科省通知を受けて多くの保護者の皆さんが不安を抱え、私もたくさんの相談を受け、中でも特に中学生保護者の進路についての御相談というのが、非常に深刻なものが多うございました。 今般通知を受け、支援学級に在籍することを選択した場合、通常の学級での学びができない教科について内申点がつかない、高校受験において不利になるのではないかという不安があります。 現在の大阪府の公立高校入試では、中学校における各教科の学習の評価や活動状況を記載した内申書、当日の学力検査の成績、それらによって算出される総合点に加えて、生徒自身が高校の生活への思いについて記入した自己申告書も活用されていると聞いておりますけれども、本来、内申点は中学校学習指導要領に示す目標に準拠した評価で、絶対的評価に基づくものでありますから、支援学級等で学んでいるからといった理由で一律に内申点がつかなくなるということではなく、あくまで生徒個々の学びの状況によって、最終的には学校長が判断するということになっているとのことです。 しかし、こういった問題について不安の声が絶えないのは現実です。入試について、内申点がつかない場合はどのように対処するのか、またそのことをどのように周知しているのか。保護者の不安に向き合うお声、ぜひ教育長からお話をいただけたらと思います。御答弁をお願いいたします。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 各教科の評価が無記載となったものにつきましては、当日の学力検査の成績や自己申告書等を基に手順を定め、公平公正な入学者選抜となるよう、全国共通のルールで合否判定を行っております。 このことにつきましては、入学者選抜実施要項に例示も含めて記載をし、併せて府ウェブページで公表をいたしますとともに、市町村教育委員会及び府内の公立中学校等を対象とした説明会におきましても、周知を行っているところでございます。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 説明会の周知ということですけれども、これらを丁寧に取り組んでいただくことと同時に、また入試における合理的配慮のさらなる進展についても、ぜひこれを機に一層進めていただくように要望いたしまして、このテーマについては終えてまいります。 続いて、大阪府政についての信頼ある情報発信についてをテーマにお伺いいたします。 吉村知事のツイッター、私もよく拝見しておりますけれども、フォロワー数百万人を超えるということで、府政情報の発信元としても非常に影響力が大きいものであると思います。 「吉村洋文(大阪府知事)」と明記されたアカウントが運用されておりますけれども、ここでの発信がそのままメディアに取り上げられることもままありまして、府民に十分に理解できていない情報がそのまま伝わってしまう懸念もあろうかと思います。 信頼ある大阪府政情報の発信のために、公務、そして政務、さらには個人的見解を一定切り分けるなど、運用のポリシーが必要かと私は考えますけれども、知事はツイッターでの御自身の情報発信についてはどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 府政の情報発信につきましては、分かりやすく、広く府民に伝わることが重要だと認識をしています。そのため、定例記者会見や府のホームページ等、様々な機会や媒体を通じて情報の発信を行っているところであります。 私個人のツイッターにおける情報発信につきましては、自分の判断で自分の考えを発信しているものであります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 御答弁いただきました。 個人ツイッターということで、以前も記者会見で、これは完全に個人で運用されているというようなことを言及されたというふうにお伺いしておりますけれども、「吉村洋文(大阪府知事)」とされているアカウントは、府知事として、もしくは大阪府としての公式見解とは少し異なるものであるということが確認されたのかなというふうに思います。 しかし、近年、ツイッターでトレンドになったことをメディアが追っかけて報道するということが世界的に増えておりまして、例えばアメリカのトランプ前大統領などはそれを見越して、わざわざ話題になるような乱暴なツイートを連発して世論を誘導しようとしたとして指摘をされております。 一方で、アメリカではこういった大統領をはじめ各州の知事も、公的なガバナーとしてのアカウントと個人アカウントを分けて運用している例が多く見られます。 ツイッターは、速報性が高い一方、文字数も限られる媒体ですので、誤解も多く、また誤解を誘発するような手法として使われていることも既に承知の問題です。一般人やスポーツ新聞でしたら、誤解されましたで済むかもしれませんけれども、行政の発表はそれでは済みません。エビデンスや法的根拠をきちんと参照できるような形で、有権者に丁寧に情報発信される必要があると考えます。 例えば、知事の個人的見解や思いということで運用されているアカウントではありますけれども、府の公式見解は報道資料としてまとまっているわけですから、そういったもののリンクを添えるような形でのツイートであれば、市民、府民にとって有益な情報提供でありますし、知事のツイートが大阪府の公式見解を反映していないことであれば、それをメディアが大阪府の見解として世論を誘導することがないように、注意喚起すべきであると考えています。 いずれにせよ、非常に影響力の多い知事の発信、政務、公務、党務、プライベート入り混じりで、受け手の責任だけにされていい問題ではないということ。これは、問題提起としてこの場で述べさせていただきます。 続いて、次のテーマに移ります。 夢洲について、幾つかのテーマでお伺いをいたします。 最初に、万博事業費についてお伺いいたします。 大阪・関西万博まで残り二年半、この次の春からパビリオンの建設が始まると聞いていますけれども、コロナ禍、ウクライナ危機など、近年類を見ない物価高騰で、博覧会協会が行う会場建設については、入札の不調、不落が続いている、その報道が不安を呼んでいる状況にあります。 また、大阪の地元館の建設工事についても、さきの九月の定例会において、債務負担行為の増額補正が行われました。 大阪府、市、国ともに、万博の会場建設費を負担する経済界からは、資材価格高騰が収まる兆しが見えないことから、千八百五十億の会場建設費からのさらなる上振れを容認するような発言があったとの報道もあり、こうした状況を踏まえ、万博関連工事の今後の事業費の上振れを懸念しております。 コスト削減など様々に取り組まれていると思いますけれども、改めて万博の会場建設費、そして大阪地元館の事業費について、上振れすることがないのか、万博推進局理事にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 後藤万博推進局理事。 ◎万博推進局理事(後藤克己) 万博の会場建設費につきましては、博覧会協会からは、建築物等の性能、機能を維持しながら、工法や資材調達などを幅広く検討して、費用の低減や効率的な執行に努め、引き続き千八百五十億円に収まるよう取り組んでいくと聞いております。 大阪府市といたしましては、設計や工事実施などの各段階で、事業の進捗確認をしっかりと行いながら、現行の上限額に収まるよう、引き続き努めてまいります。また……。 ○議長(森和臣) すいません、答弁者のマイク通ってないんですけど。 ちょっとしばらくお待ちください。すみません。 野々上議員、ちょっと待ってくださいね。 続いて、後藤万博推進局理事、お願いします。 ◎万博推進局理事(後藤克己) また、大阪ヘルスケアパビリオンにつきましては、先月、施工事業者と工事契約に至ったところでありまして、今後の物価高騰に対しましては、契約書に盛り込まれている、いわゆるインフレスライド条項に基づき協議を行うこととなりますが、コスト縮減や管理も含め、適切に工事の進捗管理を行い、予算の範囲内に収まるよう努めてまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) では続けて、万博後の夢洲という視点で幾つか質問を続けます。 この四月に区域指定を受けたスーパーシティ構想で、万博後に国際医療の環境整備を進めるとしており、夢洲における国際医療のあり方研究会議が開催され、議論の内容をホームページで公表されております。 そこでは、夢洲に医療機関を整備する可能性も含め、医療機能など必要となる基本的な考え方について議論がなされるなど、既に医療機関の設置を前提としているかのような印象を受けますけれども、夢洲の国際医療の在り方の現在の検討状況について、スマートシティ戦略部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。 ◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 万博後のまちづくりにつきましては、今後、検討されていくものと承知しております。 一方で、スーパーシティ構想では、万博終了後に、国籍や場所を問わず先端医療サービスを日常的に享受することができる環境づくりを目指す考え方を示しており、今後、スーパーシティーに係る計画を策定していくに当たり、構想の内容をより具体的に示していくことが必要でございます。 このため、健康やいのちといった理念を掲げる万博が開催される夢洲を対象地として想定し、夢洲における国際医療のあり方研究会議におきまして、専門的な見地から御意見をいただいたところでございます。 会議におきましては、仮に夢洲に医療機関が設置されるとした場合に、望ましい医療機能や必要な規制改革は何かについて御議論いただきました。 今後、いただいた御意見を生かし、スーパーシティ構想の具体化に向けて取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 御答弁ありがとうございました。 この医療のあり方研究会は、仮に夢洲で医療機関が整備された場合の議論ということで、医療機関の設置ありきではないということが分かりましたけれども、そうしますと、随分これだけ具体的やなという印象も受けるわけなんですけれども、万博跡地に当たる第二期区域のまちづくりそのものの考え方と、今後の検討をどのように進めようとしているのか、その点につきまして、今度は大阪都市計画局長に確認をいたします。お願いいたします。 ○議長(森和臣) 角田大阪都市計画局長。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史) 夢洲のまちづくりにつきましては、平成二十九年八月に夢洲まちづくり構想を策定し、さらに令和元年十二月には、この構想を受けて、大阪府、大阪市、経済界で夢洲まちづくり基本方針を取りまとめております。 その中で、万博後のまちづくりとなる夢洲第二期区域は、万博の理念を継承したまちづくりとして、最先端技術を活用した取組や、大規模なエンターテインメント、レクリエーション機能の導入などにより、第一期区域のIRのまちづくりと併せまして、国際観光拠点の形成を目指しております。 今後、民間の活力やノウハウを最大限取り入れるため、マーケットサウンディングの実施等により、民間事業者のニーズを把握しながら、開発事業者の募集条件等を検討し、万博の開催までに第二期区域のまちづくりの目指す姿をお示しできるよう取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 万博跡地、いわゆる二期分のまちづくりについてはまさにこれからということで、一体何が決まっていて何が今後の検討なのか、少し整理が進んだように思いますけれども、そもそもの土台となる夢洲の土壌問題など、根底から覆されかねない懸念事項もあるのではないかと思います。 そこで、夢洲における土地課題についてを伺います。 特に、IRについての昨今の報道を見ていますと、夢洲における液状化、地盤沈下に関する懸念が噴出していると言えるような状況です。 IR推進局として、液状化及び地盤沈下対策について、現状、どのように認識しておられるのか、お聞かせをください。 ○議長(森和臣) 坂本IR推進局長。 ◎IR推進局長(坂本篤則) 液状化については、事業者において二〇二〇年に実施された地盤調査により、公募段階で、IR区域内において液状化層が存在することが判明したものです。 液状化対策等の夢洲特有の土地課題の対応については、大阪IRが国内外から毎年約二千万人の来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模宿泊施設であることから、IR事業用地としての適性確保が必須であり、土地に起因する所有者としての責任に加え、大阪臨海部のまちづくりなどの政策的な観点も踏まえ、土地所有者として大阪市が負担するものです。 一方で、地盤沈下については、夢洲特有の軟弱地盤により、長期に地盤沈下が生ずることが見込まれていますが、IR施設建設に必要となる地盤沈下対策は、事業者において適切に実施するものとしております。 また、大阪市が使用した埋立てなどの原因により、通常の想定を著しく上回る大規模な地盤沈下や陥没が生じた場合を除いて、大阪市が費用負担を行わないことを前提としております。 いずれにいたしましても、大阪IRは、国内外から毎年約二千万人の来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模集客施設であり、安全安心な新たなにぎわいの拠点を形成してまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 大阪市の責任において、もしくは事業者の責任においてということで対応されるということなんですが、大阪府としても、土地に関してさらなる金銭負担ということが発生しないようにということは、府民の皆さんが大きく注目されているところですので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。 さて、加えていわゆる区域認定の審査状況についてもお伺いいたします。 この間、報道が相次ぎまして、区域認定の審査状況について、国土交通省観光庁が年内に認可可否を判断するのは厳しいといった説明を行ったこと、また知事が年内に認可される可能性が高いと、これ、ロンドンで発言されたそうですけれども、異なる内容の報道が伝えられております。 現在、国での審査途中であるとは承知しておりますけれども、IR推進局として、この異なる報道の状況をどのように認識しているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。 ○議長(森和臣) 坂本IR推進局長。 ◎IR推進局長(坂本篤則) IRの審査状況については、国の基本方針において、審査委員会の会議は公開しないこととされていますが、区域整備計画の申請以降、地盤関係等も含め、国からの様々な質問等への対応を行っているところです。 また、先月の衆議院予算委員会においては、現在、外部有識者から成る審査委員会において、IR誘致の地盤沈下や液状化等に関する安全の確保も含めて、多岐にわたる観点から慎重かつ十分な審査を行っていただいているところと、斉藤国土交通大臣が答弁をされておりますが、大阪府市としては、国において必要な審査を速やかに進めていただきたいと考えております。 今後、ポストコロナにおける大阪の再生、成長を確かなものとするため、圧倒的な魅力を備えた世界最高水準の成長型IRを実現し、大阪、関西の持続的な成長につなげてまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 御答弁をいただきましたけれども、国交省の見解なのか、大阪府の見解なのか、知事の見解なのか、どうもかみ合っているようには思えないのが非常に心配であります。 今回、さきに御答弁いただきました土地問題については、特に一義的に大阪市の問題であるとのことから明確な御答弁はなく、そしてこのスケジュールについても国の問題ということで、なかなか大阪府としても責任ある答弁がないということで、非常にこの手続について、今、困難が想定されるんではないかなというふうに感じるところであります。 いずれにせよ、どこかのタイミングで国の認可が下りるのか、はたまたそうならないのかということが明らかにはなってくるかと思いますけれども、例えば今年の二月に結ばれました基本協定書では、その協定書の有効期限が来年の四月末とされております。国の審査がこれ以上長引くようなことがあれば、根本からもう一度見直す必要が出てくるのかもしれないと思います。 土壌問題、住民合意の問題、さらには事業の採算性など、多岐にわたる課題が噴出しているこのIRの問題は、いま一度立ち止まって見詰め直すべきではないかと私は思います。 さて、最後の質問に移ります。 最後に、補正予算からお伺いをいたします。 今議会で上程されている令和四年(二〇二二年)度九号補正予算案において、十八歳以下の子どもにお米十キロ相当を配付するという事業、非常に話題になりましたけれども、こちらが盛り込まれております。 この事業は、国の地方創生臨時交付金を活用したものでありまして、緊急経済対策の一環で、地方に急遽交付された経緯があり、また、まだ事業化途中ということで、検討事項が多くある中で提案されているのではないかなという印象を受けております。 まず最初に、なぜ今回お米を配付することになったのかということについて、福祉部長の見解をお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 物価高騰の影響が長期化しております中、特に生活に直結する食料品の高騰により家計負担が増大しておりまして、とりわけ子育て世帯におきましては、子どものいない世帯と比較いたしまして家計に占める食費の割合が大きく、物価高騰の影響を強く受けていると認識しているところでございます。 そのため、子育て世帯を支援させていただくという観点から、十八歳以下の子どもに対しまして、主食のお米を中心に、他の食料も選択できる形で食料を配付することとしたところでございます。 子育て世帯に対しまして、迅速かつ確実に食料をお届けできるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 今、御答弁いただきましたけれども、今回のこの事業での対象は、胎児も含めて十八歳以下の全ての子どもとされておりまして、およそ百三十九万人が対象者。仮に、全員がお米十キロを配付されると、それが一万四千トン近くものお米が必要になるというわけで、これだけの量の確保はかなり困難であると危惧をしておりますけれども、今後の確保の見通しも心配になってきます。また、この事業、一気にこの一万四千トンのお米が消費されることになり、お米の業界に与えるインパクトも相当大きいのではないかと考えております。 実は昨年、私、地元の高槻でも、こちらは高校生を対象とした地元産のお米の配付事業というのを行ったんですけれども、やはりその後、地元産のお米の、非常に市場からの影響というのが生じまして、例えば学校給食なんかで非常に現場が苦労されたというようなことも、小さなまちでも起こっていることであります。 実際、この間、私のところにも米穀業者の皆さんから多くの心配の声が上がっており、地域の米穀店がこの事業によって廃業に追い込まれるようなことになってはならないと懸念をしております。 この事業が米業界に与える影響については、どのように検討を加えてこられたのか、引き続き福祉部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) お米の需給が逼迫するのではないかという点につきましては、お米以外の食料品も含め複数の商品から選択できるようにすることや、申請期間を三月頃から六月頃まで、配付期間につきましては三月頃から八月末までとし、比較的長期間確保させていただくことによりまして、そのような影響が起きないようにしてまいりたいと考えております。 また、米穀店等への影響につきましては、さきに申し上げたお米の確保と併せ、お米の配付に当たりましては、デジタル技術を活用して、地域の米穀店からも購入できるスキームを想定しているところでございます。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 御答弁いただきまして、現在、事業の調整中ということが分かりましたけれども、現物支給というキーワードであったり、デジタルおこめ券であったり、ちょっといささか混乱が見られますので、このあたりしっかりと整理して、ギフトカードや時期を選べるような配付状況ということで対応をいただきたいというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。 また今回の事業スキーム、七十七億円という非常に大きな事業ですので、広域の大阪府が行っていくということは一定理解をしますけれども、やはり特に子育て世帯への直接支援というのは、昨日、知事も答弁で触れられておりましたように、実際に情報を持っている市町村がこれまで積極的に行ってきたものでもあります。 今回の事業、そもそも広域行政が担うべき事業であったのか、この点についても福祉部長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 今、御質問いただきましたデジタル技術を活用したというスキームについては、今、構築しているところでございます。そして、ギフトカードではなく直接的に食料を配付させていただくということにしたのは、子ども、子育て世帯の食料、食費支援という政策目的を明確にするためということで、今回こういったスキームを取らせていただいたところでございます。 本府がこの事業を実施させていただくことにした理由につきましては、本事業の財源に充てる地方創生臨時交付金につきまして、国から、エネルギー、食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し、地方公共団体が地域の実情に応じて、きめ細かに必要な事業を実施する取組に、より重点的、効果的に活用するものとして交付されたものでございまして、具体的な事業メニューといたしましても、生活者支援、事業者支援に係る八つのメニューが国から示されていたところでございます。 その中で、府といたしましては、子育て世帯への支援、とりわけ食費の支援が最も必要だとの判断から、本事業を実施させていただくということにしたものでございます。 ○議長(森和臣) 野々上愛議員。 ◆(野々上愛議員) 子育て世帯への支援ということでは、夏にQUOカードPayというのも支給されましたけれども、このクーポンの利用状況が企業秘密を理由に公開されず、事業効果が図れないという事態が起こっております。今回のお米は、そのようなことにならないようにしっかりと対応していただくことと、市町村とのすみ分け、補完性の原則にのっとった広域行政たる大阪府の役割を、改めてしっかりと議論する契機としていただきたいと思います。 今任期、最後の一般質問となりましたが、以上とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(森和臣) 次に、土井達也議員を指名いたします。土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の土井達也です。 箕面森町についてお伺いをします。 この件は、原田府議の選挙区の事案でございまして、大変恐縮なんですけども、事実の確認など御教示をいただきたいとの思いでございまして、御容赦のほどよろしくお願いします。 まず、環境農林水産部長、箕面森町の環境アセスでは、切土、盛土についてどのような記録が残っているのか、お伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 箕面森町の環境影響評価については、環境影響評価条例が施行される前の要綱に基づき、平成七年十二月に水と緑の健康都市土地区画整理事業として、評価書が提出されています。 その評価書には、土工量約一千五百万立方メートルの造成工事を切土及び盛土により行いますが、事業区域内で土量バランスを図ることにより、区域外への土砂の搬出は行わないと記載されていました。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 平成七年、一九九五年です。十二月、今から二十七年前、私は二十八歳のときのことでございまして、随分と昔の資料を捜していただきました。ありがとうございます。 箕面森町事業は、長期にわたる事業で、大きな計画変更もされておりまして、最終的に宅地造成に関する資料では六百九十四万立米の盛土材が不足したと聞いております。この不足した土砂について、民間など、どこから受け入れたのか、お伺いをいたします。 また、このような大量の盛土工事につきまして、安全性を確保するためにどのような点に注意して施工したのか、大阪都市計画局長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 角田大阪都市計画局長。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史) 箕面森町事業は、大阪府が実施する区画整理事業であることから、通常の公共事業と同様に、公共工事間流用を基本としており、民間の建設発生土は受け入れておらず、事業区域内や新名神高速道路トンネル工事など、近隣の公共工事で発生する土砂を活用いたしました。 盛土工事に当たりましては、国や大阪府、学識経験者から成る防災検討委員会を設置し、盛土に適した土砂の品質や施工の方法など基準を定め、施工したものです。 具体的には、事前に使用する土砂の土質調査を行い、品質の確認を行った上で、委員会で定める材料選定や施工手順に基づき施工いたしました。また、施工中や施工後における沈下や変状等の計測なども実施し、盛土の安全性を確認いたしました。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) ありがとうございます。以上、御答弁いただいたのが、大阪府の公共事業としての盛土ですね。高いレベルでの盛土の内容を、お話をいただきました。 次に、民間の建設発生土の処分、盛土に関しましても見ていくんですけども、このような高いレベルでの盛土を参考にしていただきたいなと思います。 それで、パネルなんですが、現在、私の選挙区内の大規模な民間の建設発生土処分地はこんな感じになってます。 最近、我がふるさとの和泉山脈が残土処分場だらけになるんじゃないかと危惧をしていたところ、こうして地図に落とし込んだら、まさに大きな潮流があることに気づきました。この地図上の数字は、今後の計画まで含めた民間の建設発生土の搬入する、受け入れる土砂量を示しております。これらを全部足したら、合計三百三万立米です。 熱海の土石流があった静岡県では、県内の民間の残土処分場に対する初めての実態調査を行ったそうで、静岡県全体で受入れ可能、民間ですよ。民間で静岡県全体で受入れ可能土砂量は、合計三百二十万立米と報道にありました。 静岡県全体の受入れ可能土量が、私たった一人の、大阪府議会議員の選挙区内での搬入土砂量とほぼ同じであるということで、いかに先ほど示した地図に示した民間の搬入土砂量が多いか分かっていただけるかと思います。 ではまず、①の民間事業の泉南市信達童子畑地区であります。 大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例、土砂条例の許可を受けずに推定二万立米の土砂が持ち込まれておりまして、現在も違反状態が続いております。 区域面積は、四千三百六十四平米、土砂搬入時期は令和二年七月頃から、影響河川は三百メーター先の金熊寺川、谷筋最初の集落は百六十メーター先の信達童子畑、大阪府都市整備部公表の令和四年度建設発生土等の再資源化施設による受入れ価格、一般的な土砂で一立米四千円から六千円程度、土質が良好でないものについては一万円程度と記載がございまして、これを参考に推定できる土砂搬入の収益は一億円から二億円、関係法令は大阪府土砂条例、現況は条例違反と、こういうことです。 パネルは、死者、行方不明者二十八名を出しました熱海の土石流の全景であります。土砂を積んだ場所から海までは二キロです。搬入土砂は七・五万立米、うち五・五万立米が流出しまして、現在、残りの二万立米を静岡県が行政代執行で撤去を行っております。 それで、①の信達童子畑地区に戻るんですが、昨年十二月より土砂の撤去などを指導していると伺っております。いつまでに改善を見込むのでしょうか。また、条例違反に対して行政代執行を行うこともあり得るわけでございますが、その判断基準について、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 泉南市信達童子畑地区の土砂条例違反については、昨年十二月に発見し、直ちに新たな土砂搬入行為を中止させ、その後、それ以前に搬入した土砂を一旦、安定な形状にさせました。その上で、搬出先や搬出時期についての協議を進めているところであり、早期に改善が図られるよう指導を行っています。 行政代執行の要件について、行政代執行法の規定により、行政庁により命ぜられた行為について義務者がこれを履行しない場合、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは代執行できるとされております。 当該違反地においては、現地の状況から、直ちに人家等への影響が懸念されるものとは考えておらず、また行為者が指導に応じる姿勢を見せていることから、改善に向けた指導を粘り強く続けてまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 現地の写真です。写真のもっと下から残土が盛られているんですが、これ、ため池の上を埋め立てております。かなりの高さの盛土になっておりまして、上部には産廃が混じっているのが確認できるかと思います。 近くの谷筋下流には、童子畑の集落がございまして、私自身は、見てればかなり危険な状況じゃないんかなと思うんですが、基礎地盤の調査については実施されているのか、また先ほど御答弁にあった、なぜ大阪府は直ちに人家等への影響を及ぼすものではないと判断ができるのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 基礎地盤につきましては、行為前に載荷試験が実施されており、埋立行為に対し安全であるという結果を書面により確認しております。 また、盛土の高さは約十メートルで、基礎地盤より約五メートルの高さまでは補強土壁と呼ばれる土留め構造物が設けられており、資材メーカー指導の下、地下排水管の設置や締め固め等が行われたことも、行為者より提出された施工状況の写真等で確認しています。 さらに、構造物については、安定計算が行われており、盛土規模や形状に対して一定の安全性が確保されていることを確認しており、これらをもって判断しておりますが、早期に改善が図られるよう指導を徹底してまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 次に、②であります。こちらも民間事業でございまして、(仮称)泉南市信達郷共有林組合森林復旧景観事業であります。 ②は、区域面積九・九ヘクタール、搬入土砂量六十四万立米、切土が概算計算値で千二百万立方メートルで、今回の搬入土砂六十四万立米は初めての搬入になるんですけども、切土、盛土バランスから考えまして、今後、数回にわたって相当量の土砂が搬入される可能性があるんだろうと思われます。 土砂を受ける時期は、許可後三年間、影響河川は二・二キロ先の阪南市の山中川、谷筋最初の集落が二・二キロ先の山中渓集落で、先ほどの大阪府の都市整備部公表の受入れ価格から推定した搬入土砂の収益は三十二億円から六十四億円、現況は関係法令の事前協議の段階でありまして、今後、土砂条例に基づく埋立許可と、森林法に基づく林地開発許可が必要になってまいります。 開発には、法令で定める基準への適合のほかに、地域住民の意向も重要と考えます。事業者からの許可申請に当たり、どのような同意が必要なのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長
    環境農林水産部長(原田行司) まず、土砂条例では、行為地における土地所有者の同意を求めています。また、周辺地域の住民の理解を得て事業を進めることの重要性に鑑み、事前協議の段階において説明会の開催を義務づけており、その際の意見等は可能な範囲で行為内容に反映させるよう事業者に求めております。 次に、林地開発許可では、行為地の土地所有者に加え、地上権や賃借権等の権利者、水利組合など排水施設の接続先となる水路や河川の管理者の同意を求めております。 また、許可申請書の受付後には、地域住民の意向を反映した適正な判断を行うため、大阪府より市町村長へ意見照会を行い、回答のあった意見について、法令基準の範囲内において可能な限り対応するよう事業者に求めております。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) ありがとうございます。 次に、③です。こちらも民間事業で、搬入土砂量では、土砂条例施行後、大阪府内最大規模となります二百三十七万立米、大量の土砂による盛土が計画されております(仮称)阪南市西部丘陵地区産業集積用地造成事業であります。 ③は、産業用地の造成なんですが、隣接する阪南スカイタウンでは、関空の一期工事の土取り場所でありまして、阪南スカイタウンは全て切土で住宅開発がされております。したがいまして、用地の造成というのは、隣接の阪南スカイタウンのように切土だけでも当然可能です。切土、盛土の土量バランスでも、造成枠も今回のように民間の土砂を大量に搬入しても可能ですし、ただし冒頭に見た箕面森町の土砂の盛土のように、安全性への配慮をしっかりしていただきたいなと思うところであります。 区域面積五十九ヘクタール、切土九十六万立米、盛土三百三十三万立米、差引き搬入土砂量は二百三十七万立米になります。土砂の受入れ時期は、許可後十年間、影響河川は五十五メーター先の田山川と、百二十メーター先の茶屋川、谷筋最初の集落は六百メーター先の住金団地、海まで一・五キロであります。 先ほどの大阪府の都市整備部公表の再資源化施設による受入れ価格から推定される搬入土砂の収益は、百十八億五千万円から二百三十七億円になります。 関係法令では、大阪府環境アセス条例、都市計画法、森林法などで、現況は環境アセス条例に基づく方法書の縦覧が終了、意見書提出が締め切られております。 土砂搬入を行う山間部から海までの距離が短くて、その間に大きな集落があり、この計画が実現すれば生活圏に土砂を頭の上に抱えることになります。この件で府民の意見書が、環境アセスでは過去最高数となる三百三十三件、大阪府に提出され、当該事業への地元の懸念の大きさがうかがえます。 そこで、過去の事例での提出件数と比べてどうか、またどのような意見が提出されているのか、そして大阪府は意見書を環境アセスメント手続にどのように反映していくのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 過去の意見書の件数につきましては、環境影響評価条例が施行された平成十一年度以降最も多いもので、六件でございました。 今回の三百三十三件の意見の内容につきましては、土砂搬入車両による騒音や工事に伴う粉じん、河川の水質への影響など、生活環境全般にわたる意見のほか、自然環境への影響や土地の安定性に関するものなど、様々な分野についての意見があり、特に土砂災害に関するものが多数ございました。 今後、条例に基づく方法書に対する知事意見を事業者に述べるに当たり、意見書の内容を地元市町、環境影響評価審査会の意見とともに勘案し、手続に反映してまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) ありがとうございます。 続いて、環境アセスメントを行った後、当該事業地は市街化を抑制すべき区域である市街化調整区域であるため、このままでは計画されている産業集積用地造成事業が行えないということから、事業者が地区計画案を策定して阪南市に提案し、市の都市計画審議会に諮って、地区計画を定める都市計画決定を行った上で、大阪府が都市計画法の規定による開発許可に係る審査を行う旨、環境アセスメントの方法書に記載をされております。 そこで、この大阪府の開発許可の手続について、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 開発許可に当たりましては、まず都市計画法に基づき、事業者が開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得た上で、事業者から府に対し許可申請を行います。 この申請に対し、大阪府は産業施設の立地の可否に関して、お示しの地区計画との整合を確認した後、安定したのり面勾配の確保や排水施設の設置、擁壁の安全性など、都市計画法に定める技術基準に基づき審査を行い、適合していれば許可を行うこととなります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 住民の声を反映して地元の民主主義で物事が決まっていくというのが、この間、大阪府議会の九月定例会で、委員会でもいっぱい皆さんと議論させていただいた中で達した私の結論であります。二百三十七万立米にも及ぶ搬入土砂の観点から、合意形成も含めて、阪南市の優れた民主主義をぜひしっかりと見せていただこうと思っております。 次に、民間の残土処分の適地についてお伺いをしていきたいと思います。 これほどの土砂を搬入して頭の上に土砂を積むという行為。本心を述べれば、我が祖国日本に対し、時限爆弾をセットして、万世にわたる国民の生命、財産を危険にさらすものだと私自身は思ってます。 そして、民間の搬入土砂の扱いが粗いということも、先ほど土砂の上に産廃載ってましたけども、民間さんの土砂の扱いというのは大変粗いと私は個人的に思っております。 こういう行為を回避するには、民間の土砂処分場の適地を、安定した適地を探していかなければならない、開拓しなければならないと考えます。 それで、民間の残土処分の適地はどこかと言えば、自然の摂理から海岸部であると考えております。 株式会社神戸の神戸方式しかり、今年九月伺った静岡県熱海土木事務所の皆さんのお話もしかりでありました。 熱海の土木事務所の話をさせていただければ、自然な流れであり人間の本能だなと思ったのは、現在、静岡県の行政代執行で撤去中の土砂を山の上の廃校となった中学校のグラウンドに置いていたら、住民の皆さんからすごい怒られたと。たくさんクレームがあって、撤去土砂は海岸部に、山の上に置いた土砂を海岸部に移動させたんですよと。そして、港の整備に行政代執行の土砂を今使っているんですというお話を伺いました。 民間の残土処分の適地として、海のほうなんですけど、例えばこの関空の完成形のイメージ図の小さい赤い丸が二期工事のやり残し部分ですね。そして、大きな赤の囲みが第三滑走路の部分でありまして、この辺りに残土処分場を造っていただけないかなと、泉州地域の私は思います。 そのほかに、世界の中で躍動し、成長し続ける大阪。世界と競い、戦える南泉州地域。その成長の可能性を見いだしたい大阪湾の海岸が、地元、こんなふうになってます。 今も昔もずっと埋立ては、阪南海岸行ってないんですね。里海公園だけですね。ないんですが、昔の阪南の海岸がこれです。とっても気持ちのいい海岸であったわけです。 で、今の状態がこれで、海岸線の在り方をもっと考えていただいて、民間の残土の処分、活用することで海岸を修景して、かつ大阪の成長に資するような取組をしていただけないかなと思うんですが、大阪港湾局理事の御所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(森和臣) 佐藤大阪港湾局理事。 ◎大阪港湾局理事(佐藤広章) 兵庫県明石市東側の境から和歌山県境に至る大阪湾沿岸における海岸では、大阪湾沿岸海岸保全基本計画に基づき、各海岸管理者におきまして、安全な海岸の整備、いわゆる防護を第一として、環境、利用面に配慮しながら、相互の調和を図る海岸づくりを進めているところです。 阪南市における男里川から箱作までの海岸は、この基本計画におきまして、環境保全・親しみエリアに位置づけており、堤防や消波ブロックなどの海岸保全施設の整備とともに、藻場や男里川河口干潟など、貴重な自然環境の保全に努めております。 お示しの残土を活用した海岸の修景につきましては、残土の有効な利用となります一方、土地の造成を伴うことから、残された貴重な自然環境の保全、海辺へのアクセスの確保、また建設、維持管理コストなど様々な課題があると考えております。 今後、大阪港湾局といたしましては、阪南市域における海岸保全の在り方等について、残土を活用した手法も含め、研究してまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) 自分も若かりし頃、ずっとこの質問してたんですけど、全然動かんままですね。多分、全く触ってない海岸で言ったら、岬よりも阪南のほうが触ってないと思うんですね。そこは深日も触ってるし、多奈川の関電の発電所のところもかつて埋立てを行ってるわけで、阪南はもうほとんどそのまま残して、貴重な生態系を残してるんですけども、さっきの風景見たら逆に何か海がかわいそうやなって思うわけですよ。同じ気持ちだと思うんですけども、様々な決まり事があるんで難しいとは思いますけども、検討どんどんしていただきたいと思います。よろしくお願いをします。 次に、現状の大阪の限界を突破しまして今後、大阪がさらなる成長を遂げていくため、市町村M&Aにより、今までその地域になかった力を引き出して世界と戦える地域を目指すことも、その一つの要素であると考えます。 市町村M&Aについては、行政として住民サービスの水準や事務の進め方をすり合わせるための高度な調整に多くの時間と手間がかかる上に、住民の理解を得ることが不可欠であり、実際に行っていくことは大変難しいと考えられます。また、地方政治としても、最難関のリーダーシップを必要とする取組であります。 それを分かり、覚悟した上での話なんですが、平成の大合併時に、和歌山県田辺市が中心となって発足した田辺周辺市町村合併研究会では、統一した調査票によりまして、二千項目を超える事務事業現況調査を行っており、その取組は総務省から高く評価されて、全国的にも注目を集めました。 また、直接には合併を見据えた取組ではないんですが、最近では愛媛県が行政職員の負担軽減やコスト削減を支援する目的で、愛媛県内二十市町における申請手続の統一に取り組んでおりまして、国においても、自治体システムの統合、標準化を進めているところであります。 こういった取組を参考にしながら、府内市町村M&Aに関わる者が、その先の世界の中で躍動する大阪という時代の先端で仕事をしているという誇りが持てるように、全国に先駆けて、時代をリードするような、令和にふさわしい取組をお願いしたいと思うんです。 市町村M&Aに向けまして、大阪府として積極的な市町村の支援をと考えますが、総務部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) 市町村が将来にわたり安定した行財政運営を行っていく上で、地域の状況によりましては、合併も有効な選択肢になり得ると認識をしております。 一方で、合併に向けましては、住民の理解が不可欠であるため、府として、市町村において目指すべき未来像についてのオープンな議論が活発に行われるよう取り組んでいるところでございます。 具体的には、少子高齢化などにより市町村が今後直面する行政課題を抽出することや、行財政基盤が比較的弱い団体と共同で中長期財政シミュレーションを作成して、厳しい財政見通しを明らかにすることなどを踏まえまして、将来の在り方について、市町村の首長や議会と意見交換を行っておるところでございます。 今後、合併に向けて検討する市町村が出てきた場合には、府も検討の場に参画をし、全国の事例を研究して当該地域にふさわしい合併の在り方を考えるなど、住民にとってさらに魅力ある市町村となるよう、積極的にサポートをしてまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) ありがとうございます。よろしくお願いを申し上げます。 それでは、最後の質問です。 令和二年にフィリピン・ダバオ市を山本優真、当時泉南市議と訪問した自分の体験を基に、令和二年二月本会議におきまして、「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪へ~ダバオ市の空の下で、大阪の成長を思う~」として、アジアの都市との交流を通じた大阪の成長や、大阪と成長都市との友好交流提携に関する質問をさせていただきました。 今回、全国最年少、平成生まれ初の市長となった山本優真泉南市長と共に、三年ぶりにフィリピン・ダバオ市を訪問し、盛大な歓待の下、ダバオ市と泉南市が経済や教育等の分野で交流、協力を進展させ、今後、友好都市との協定を交わす準備の調印式に立ち会ってまいりました。 将来、ダバオと泉南市の友好都市、友好交流提携を契機として、関空を有する泉南市を窓口に、ダバオと大阪全体の経済分野をはじめとする様々な分野での交流が強化されることを期待しております。 これ、こっちがダバオ市長で、元大統領のドゥテルテさんの次男さんです。今の市長さん、現在の副大統領の弟さんに当たります。今の、現在の副大統領も、ドゥテルテさんの娘さんもダバオ市の市長をやってました。 現地では、ミンダナオの日本人商工会議所の中尾会頭をはじめ皆様と交流する機会があって、ダバオと大阪の連携強化を通じて、大阪のプレゼンスが高まることを強く望んでいると感じました。 今回の経験を踏まえまして、大阪がこれまで以上に成長発展するためには、ダバオやアジア各都市を含め、世界の各都市との連携強化、大阪のプレゼンスを向上させるための取組が重要と考えますが、府民文化部長の御所見をお伺いします。 ○議長(森和臣) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪の成長発展に向けて、海外諸都市との経済や文化、教育など、幅広い分野での交流を深め、海外におきます大阪のプレゼンスをさらに高めていくことが重要と認識しております。 そのため、海外要人の来阪時や、府の代表団が友好交流都市を訪問した際など様々な機会を捉えまして、大阪の都市魅力や成長分野などにつきまして、積極的に情報発信を行いますとともに、在関西総領事等ともより一層の連携を図れますよう、常日頃から交流を重ねているところでございます。 最近では、十二月一日に開催いたしました知事、大阪市長と十六か国の在関西総領事等が一堂に会する意見交換会で、大阪の成長に向けた取組や、大阪・関西万博に関するプレゼンテーションを行い、本国への発信について協力を呼びかけたところでございます。席上、総領事から様々な御提案をいただくなど、万博を契機とした関係強化等について、活発な意見交換を行ったところでございます。 引き続き、海外の政府機関、団体や各都市との交流を通じまして、大阪の魅力をしっかりと発信し、大阪の成長につなげてまいります。 ○議長(森和臣) 土井達也議員。 ◆(土井達也議員) ありがとうございました。 今回私が出席しました泉南市とダバオ市の調印式には、在ダバオ日本総領事館の石川義久総領事も御同席いただきました。奥様から手料理を振る舞っていただいた夕食会で、総領事館では大阪をPRできる様々な機会を提供しているということでございました。ぜひとも、万博の成功とその後の大阪の成長発展に向け、様々な機関と連携して、しっかりと大阪の魅力発信に取り組んでいただきたいと思います。 また、泉南市とダバオ市のみならず、大阪府内市町村が友好提携している海外都市の数は、七十二にも上ります。大阪府での情報発信に加え、市町村が有するこの七十二もの海外地域ネットワークを活用することで相乗効果を発揮し、大阪のプレゼンスの向上が一層期待できると考えます。 世界の中で躍動し、成長し続ける大阪へ、世界における大阪のプレゼンスを向上するために、府内市町村としっかりと連携を図っていただきたいと思います。 以上で、私からの質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。 ○議長(森和臣) この際、休憩いたします。午後三時休憩    ◇午後三時二十一分再開 ○副議長(三宅史明) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により川岡栄一議員を指名いたします。川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 公明党大阪府議会議員団の川岡栄一でございます。 二〇二五年の大阪・関西万博を中心に質問いたします。 最初に、二〇二五年の大阪・関西万博のリスク管理について伺います。 私は、災害発生時において水の確保が重要であると考えています。東海地震や東南海・南海地震が三連動で起こるなどのいわゆる南海トラフ巨大地震が発生した場合には、より被害の大きいエリアに応援が集中することから、府外からの大阪府への応援が満足に受けられず、水が不足するのではないかと懸念をしております。 このたび、大阪公立大学の遠藤教授により行われた調査では、平成二十八年熊本地震において、個人宅の井戸が災害用井戸として開放され、その多くが生活用水として住民に提供されることで、自治体の給水活動をバックアップしたということが明らかになっており、災害時の水の確保策として非常に感銘を受けました。 このような取組につきまして、パネルでございますが、大阪府内では、三十九の市町村で災害時協力井戸の登録制度を設けていますが、一方で、大阪市、堺市、高槻市、東大阪市の四市には制度がないと聞いております。 二〇二五年には、大阪・関西万博が開催され、国内外から多くの方が来阪されることが予想されるため、発災後の水の確保は特に喫緊の課題であり、危惧しているところです。 最善を尽くすために幾重もの対策が必要と考えますが、南海トラフ巨大地震に備えた飲料水の確保や、生活用水に利用できる井戸の活用に関する取組について、危機管理監にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 府では、南海トラフ巨大地震の発災に備え、水道事業体における送配水管や配水池等の耐震化を推進し、これら水道施設の貯留水や災害用ボトル水の備蓄を合わせ、約八億六千万リットルの飲料水を確保しており、他地域から応援が見込めない発災後三日間に必要な飲料水約六千万リットルを上回る量を確保しているところでございます。 また、災害時において家庭用井戸などの活用は、被災者に対する生活用水の補完につながるものと認識しております。このため、災害時協力井戸制度未導入の市に対しまして、健康医療部と連携し、積極的に導入の働きかけを行ってまいります。 今後とも、南海トラフ巨大地震をはじめ大規模災害において、被災地への支援がしっかりと行えるように、国、市町村などとも連携しながら取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 次に、大阪・関西万博を見据えた周遊促進について、お伺いをいたします。 大阪の歴史は古く、難波津は遣隋使、遣唐使船の出発点であったほか、江戸時代からは天下の台所として全国にその名を知られるようになりました。 また、近代になってからは、我が国の繊維産業を牽引し、東洋のマンチェスターと呼ばれ、日本の綿工業を支えるなど、大阪は日本の国際競争力を高める先進地域の一つでありました。 大阪には、歴史だけでなく、文化、芸術、食といった多様な資源があります。 私の地元、パネルになりますけれども、西成区ではパネルのとおり、在阪アーティストと子どもたちが協力してまちをアートで盛り上げる、西成WANといったグラフィティアートプロジェクトや、大阪を拠点に全国で活動している大阪フィルハーモニー交響楽団など、アートや音楽等の資源があります。 万博を見据え、府内の多様な地域資源を生かした府内周遊の促進に向け、どのような取組を進めているのか、府民文化部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪・関西万博のインパクトを活用し、国内外から多くの観光客を大阪に呼び込み、府域を周遊していただくためには、府内各地の多様な地域資源の魅力を生かした取組が必要であると認識しております。 そのため、府では、多様な地域資源の魅力をテーマに沿って紹介するガイドブック--DISCOVER OSAKAにより情報発信を行っており、今年度は万博も見据え、多言語版を制作しているところでございます。 また、府内各地の寺社仏閣等の文化財を舞台といたしまして、人形浄瑠璃やクラシック音楽などの公演を開催し、文化芸術に触れる機会を提供いたしますとともに、文化資源や観光資源の魅力を一層高める取組も進めているところでございます。 さらに、今年度は、大阪に多くの観光客を呼び込み、府域周遊にもつなげます大阪来てな!キャンペーンを実施し、府内各地の博物館や大規模公園などで、話題性のある音楽イベント等を開催いたしますとともに、様々な観光スポット等でクイズに答え、楽しみながら府域を巡っていただく取組も行っているところでございます。 今後とも、万博を見据え、国内外から訪れる多くの観光客が、大阪の魅力をより楽しみながら巡っていただけますよう府内市町村等とも連携いたしまして、府域周遊の促進にしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 私の地元西成区や大正区には、パネルのとおり、夢洲からも程近い木津川には自転車を載せて渡ることのできる渡船もあります。それらを観光資源として、例えば自転車で巡りながら万博会場へ行くことができれば、周遊促進にもつながるのではないかと思います。 さらに、万博に向けては、府域にとどまらず、関西、そして全国も巻き込んだ広域周遊の視点も必要と考えます。 例えば、私も本年訪れました瀬戸内国際芸術祭は、万博開催年である二〇二五年にも開催されます。そのようなイベントと大阪を広域でつなげたり、パネルのとおり、日本遺産にも登録されている北前船について、全国各地に寄港地をつなぐなど、夢洲から府域、関西、西日本、そして全国に周遊していただけるよう、ぜひ積極的に取り組んでいただきますよう、お願いを申し上げておきます。 万博会場の夢洲は、海に囲まれております。 次に、万博に向けたブルーカーボン生態系の取組についてお伺いをいたします。 私は、大阪・関西万博の開催に向けて、カーボンニュートラルの実現に向けた新たな炭素吸収源、ブルーカーボン生態系の一つである藻場の創出に注目をしております。 パネルを御覧ください。パネルは、南港野鳥園護岸に設置された人工藻場です。 大阪湾では、阪南市のアマモ場の保全、再生活動のみならず、大阪府海域ブルーカーボン生態系ビジョンを踏まえ、泉佐野市以南の海域において、海藻の生えるブロックの設置等の取組が進められております。 これら湾南部からの取組を万博会場につなげるためにも、大阪市や堺市の沿岸など、湾奥部での創出を進めるとともに、取組状況を見える化し、世界の国々や全国から来られる多くの人々に対して、大阪湾におけるブルーカーボンの取組をアピールすることが重要と考えますが、大阪湾の湾奥部における藻場創出の取組状況はどうなっているのでしょうか。 また、湾南部を含めて、大阪湾全体における取組を一体的に情報発信していくことについてのお考えを環境農林水産部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) ブルーカーボン生態系の一つである藻場は、CO2の吸収源となるほか、溶存酸素の供給等による水質改善、魚類等の産卵と生育の場の創出による生物多様性の向上など、多面的な機能を有しており、その創出に取り組むことが重要でございます。 湾奥部におきましては、昨年度、夢洲の対岸にある南港野鳥園の人工護岸に海藻類を根づきやすくするパネルを設置したところ、一メートル程度のワカメが成長するなど藻場の創出効果が確認されております。 また、今年度、新たに堺市内の企業と連携し、企業の所有護岸における藻場の創出に着手いたしました。 これらの取組の成果を踏まえ、大阪湾全体での藻場の再生、創出を進めるとともに、大阪・関西万博の開催時期を見据えつつ、護岸や海中の藻場の生育状況を効果的に発信できるよう努めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 新たな取組を開始された堺市は、万博会場がある夢洲と、アマモや海洋性の食材に親しむことができる阪南市の中間地点に位置しており、大阪湾におけるブルーカーボンの取組をつなぎ合わせる重要な地点です。 堺市は、カーボンニュートラルの早期実現を目指す脱炭素先行地域に選ばれており、CO2削減に貢献するブルーカーボンの取組とも親和性が高いことから、今後、堺市や堺市内の企業等との連携により、堺二区人工干潟も眺望できる海とのふれあい広場などを活用した取組なども検討してはどうかと考えます。 ブルーカーボンの取組を進め、大阪から世界に広く情報発信ができる取組を進めていただきますよう、要望をしておきます。 次に、最新技術を活用したカーボンニュートラルの取組について伺います。 パネルを御覧ください。 さいたま市浦和美園スマートホーム・コミュニティ街区では、全ての建物の屋根に太陽光パネルを設置した上で、街区内を独立した電力網でつなぐマイクログリッドが整備されています。余った再エネ電気は、共用の大型蓄電池や電気自動車にためられ、電力の需要が多いときには蓄電池から家庭に電気が供給されます。家庭ごとに電気の使い方は異なりますが、このようなシステムを整備し、街区全体で需要と供給をならすことで、エネルギー効率の高い電気の使い方ができます。 蓄電池分野に関しては、国内でも様々な研究、実装が進められ、北海道では風力発電所の設置のため、大型蓄電池を発電所や送配電システムにつなぎ、電力が余ったときには蓄電し、不足したときには放電することで、全体の安定化を図る取組が始まりました。 蓄電池等の最新技術を活用することで、万博開催におけるカーボンニュートラルに貢献することはもとより、こうした大阪の技術を世界に向けて発信することが重要です。 蓄電池等の最新技術を活用し、万博も契機として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくべきと考えますが、環境農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 脱炭素化のさらなる促進に向け、省エネルギー、省資源に加え、革新的な技術の活用が不可欠であり、脱炭素社会の将来像を共有し、新たな取組を府域にも展開していくために、万博は絶好の機会でございます。 このため、カーボンニュートラルの実現を目指す万博において、最新の脱炭素技術を最大限実装し、世界に発信されるよう、関係機関と連携して国に働きかけてまいりました。 また、本年七月に立ち上げましたカーボンニュートラル推進本部の下に、脱炭素に関するイノベーションの創出や、再生可能エネルギーの大幅な利用拡大などによる脱炭素型のまちづくりに関するワーキンググループを設置し、最先端技術の社会実装などについて、関係部局が連携して検討を進めております。 今後とも、こうした取組により、府内事業者や研究機関に優位性がある蓄電池技術の活用による再エネの大量導入や、エネルギーの面的利用等、エネルギー効率の高い都市の形成を促進し、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現を目指してまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 次に、大阪公立大学の蓄電池研究について伺います。 府立大学と市立大学が統合され、新しく生まれ変わった大阪公立大学には、統合というメリットを大阪の都市力の強化につなげていただきたいと考えております。 次世代蓄電池としての実用化が期待されている全固体電池の研究に関する発行論文数については、大阪公立大学は国内で最も多く発行していると伺っており、蓄電池の研究は大阪公立大学の強みの一つです。 現在普及しているリチウムイオン電池は、リチウムイオンの通り道となる電解質に可燃性の液体を用いますが、この部分に固体の材料を使用する全固体電池は、安全性が高く、長寿命、高性能と言われており、電気自動車をはじめ様々な用途への実用化が期待されています。 また、蓄電池は、電気自動車等への活用のみならず、発電した電気を一時的に貯蔵することにより、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーを主力電源化し、エネルギーインフラとしていくために必要不可欠なものであり、カーボンニュートラル実現のための基盤となる技術であると考えます。 さらには、国の蓄電池産業戦略の今後の方向性としても、全固体電池など次世代電池を世界に先駆けて実用化するために、技術開発を加速し、次世代電池市場を着実に獲得する方向性も掲げられています。 こうした中、大阪公立大学が取り組む蓄電池の研究には大きく期待をしております。そこで、大阪公立大学における蓄電池の研究の状況について、府民文化部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪公立大学では、学内に全固体電池研究所を設置いたしまして、多くの研究者が全固体電池の材料開発等の研究を進めますとともに、次世代蓄電池に関する国の大型プロジェクトに参加するなど、全固体電池の研究を積極的に推進してまいりました。 昨年四月に、企業連携による研究を推進いたしますため、民間企業や国公立研究所の約八十機関から成る全固体電池実用化研究会を立ち上げまして、本年十一月には国の事業に採択を受けた民間企業と全固体電池開発に向けた共同研究を開始するなど、全固体電池の社会実装を加速する取組に力を入れております。 国内外での全固体電池の研究開発競争が繰り広げられている中、大阪公立大学といたしましては、長年の研究の蓄積を生かし、世界に先駆けてその研究成果を社会実装につなげられるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 次に、大阪公立大学のスタートアップ創出に向けた取組について伺います。 大阪には、優れた技術を有する中小企業が集積しており、蓄電池の材料、部材の蓄電池を用いた製品の製造などで市場参入できる可能性があります。要素技術の研究開発支援を受けることで、新たな事業創出が期待できます。 公立大学では、スタートアップの支援については、一部、国立大学ほどの取組には至っておりません。大学発ベンチャーの企業数においても、令和三年度の国の調査では、大阪公立大学発のベンチャー企業数は三十九件と、公立大学ではトップクラスに位置するものの、国立大学のトップクラスの水準には届いていない状況です。 大阪、関西には、大学や産業支援機関などが集積をしており、公立大学としての行政や経済界とのネットワークも生かしながら、さらなる取組ができるのではないでしょうか。 そこで、大阪公立大学における大学発スタートアップの創出に向けた取組について、府民文化部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪公立大学におきましては、大阪の都市課題の解決や産業競争力の強化に貢献いたしますため、大学が有する総合知を結集し、SDGsをはじめとする様々な社会課題に対しまして、産学官で共に取り組み、イノベーションの創出を推進することとしております。 こうした中、大阪公立大学におきましては、京阪神の大学や経済界等々が連携して、大学発のスタートアップを支援するプラットフォームに参加いたしますとともに、大学独自に支援人材を配置し、研究シーズの発掘や専門的な助言を行うなど、研究成果の実用化に向けた取組を進めております。 また、大学が有する医療・健康分野の研究知見を生かしますため、起業支援ノウハウや企業ネットワークの強みを有する大阪産業局と連携し、ヘルスケア分野における研究シーズと企業化のマッチングや、新たなビジネスの創出に向けた支援などのスタートアップ創出に向けた取組も進めているところでございます。 大阪府といたしましては、大阪公立大学が大阪の成長発展に貢献する知の拠点としての役割を果たすことができますよう、大学の研究成果の社会実装や大学発スタートアップの創出に向けた取組をしっかりと支援してまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 次に、大阪科学賞についてお伺いをいたします。 大阪科学賞は、創造的科学技術の振興を図り、二十一世紀の新たな発展と明日の人類社会に貢献することを目的に、大阪府と大阪市、大阪科学技術センターの三者が一九八三年、昭和五十八年に創設し、千里ライフサイエンス振興財団の共催により、科学技術の研究開発に貢献された若手研究者を対象に、その業績を顕彰する権威ある賞でございます。 今年で八十名となりました歴代受賞者の業績は顕著であり、リウマチ薬や電気自動車のモーターなどで活用されるネオジム磁石の開発など、社会に様々なイノベーションをもたらしているほか、ノーベル賞を受賞された本庶佑氏や山中伸弥氏など、未来をつくる研究者がここから世界に羽ばたいております。 パネルを御覧ください。 このパネルは、十一月五日に開催されました大阪科学賞の表彰式の写真でございます。同日の表彰式には、私も参加させていただきました。 受賞者の大阪大学、岡田随象教授からは遺伝統計学、大阪大学の松下康之教授からは三次元のデジタル複製を可能にする手法の研究についての御講演がありました。会場では、高校生など若手の方も多数聴講されていて、ヒトの遺伝子を解析することでどうして個別医療が可能になるのかといった質問など、講演内容に相当刺激を受けられたのではないかと感じました。 大阪科学賞を通じて、科学技術に関わる研究や仕事を志す人が増えていけば、新たなイノベーションの創出にもつながっていくものと考えます。そのためにも、より多くの若者に大阪科学賞を知ってもらうことは、大変意味があることと考えます。 そこで、このような大阪科学賞のポテンシャルを生かし、未来を見据えた取組について、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 小林商工労働部長。 ◎商工労働部長(小林宏行) 大阪科学賞は、大阪を中心に活動され、科学技術分野で将来が嘱望される研究者を毎年顕彰するものです。お示しの先生方に加え、免疫学の世界的権威で大阪のライフサイエンス分野を牽引されている大阪大学の岸本忠三元総長、審良静男特任教授なども受賞されている格式ある賞です。 表彰式と併せ開催される記念講演は、一昨年から土曜日に開催日を改め、大阪大学の高校生向け科学技術教育プログラムと連携しました。科学技術に興味を持つ中高生が、最先端の研究を新進気鋭の研究者から直接聴講することができる貴重な機会でもあります。今年度は、オンラインを含め参加者二百九名のうち、半数を超える百八名が中高生でした。 こうした取組は、将来の大阪の成長や科学技術振興の礎となるものであり、教育庁とも連携しながら、記念講演の動画配信の活用などを、府内のスーパーサイエンスハイスクール指定校や高等専門学校などに広く周知し、将来を担う若者が研究開発を志す動機づけとなるよう取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 大阪科学賞の意義や、府内のスーパーサイエンススクール指定校の生徒に広く周知するなどの取組がなされていることについて、確認をいたしました。 私は、若者のうち、特に将来こうした最先端の研究に携わろうと志す高校生が、本物の科学に触れる機会を持つことは非常に重要であると考えます。 特に、大阪科学賞の記念講演のように、十年、二十年先に社会で実際に利用され、人々の命や生活を輝かせ、豊かにする研究に携わる方々から直接話を伺うことは、大変意義があると考えます。 府立高校において、将来、科学技術分野の研究等で活躍する人材を育成するために、生徒が本物の科学に触れることができるよう、どのような取組を行うのか、教育長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 議員お示しの大阪科学賞記念講演につきましては、最先端の科学に触れる貴重な機会であり、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている府立高校など十五校に対して周知を行っております。 また、科学技術人材の育成に向けて、府立高校における文理学科や総合科学科など理数教育に特色のある学校においては、これまでから大阪科学賞受賞者の岸本忠三氏や山中伸弥氏から、自身の研究内容について御講演をいただくなど、生徒が最先端の科学に触れる機会をつくってきたところでございます。 加えまして、大阪大学の栗栖源嗣氏や古川貴久氏といった大阪科学賞の受賞者をはじめ、理工学や情報科学等の分野で今後さらなる活躍が期待されている先進的な取組を行っておられる大学の教員から、府立高校の生徒の課題研究の発表に対して、直接、指導や評価をいただいたりするなどの取組を行っております。 今後とも、教育庁としまして、大阪科学賞記念講演に府立高校の生徒の参加をさらに呼びかけを行いますとともに、府立高校の生徒が受賞者から直接講演を聞いたり指導を受けたりする機会を増やすなど、生徒が最先端の研究をはじめ科学の専門的な内容について学ぶ機会を持つことができますように、大学や外部機関との連携に一層努めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 最後に、ホウ素中性子捕捉療法--BNCTについてお伺いをいたします。 先日、大阪公立大学と量子科学技術研究開発機構が包括連携協定を結び、認知症やがん分野での共同研究を進め、大阪公立大学が二〇二五年に健康長寿医科学研究センター(仮称)を開設するとの報道がありました。 最後に、大阪公立大学が一翼を担って進められてきました大阪発のがん治療法であるBNCT--ホウ素中性子捕捉療法についてお伺いをいたします。 私は、平成二十一年五月の一般質問以来、次世代のがん治療法であるBNCTについては何度も取り上げてまいりました。 BNCTは、熊取町にある京都大学複合原子力科学研究所を中心に、大阪大学、大阪公立大学、民間企業などのネットワークにおいて、数多くの臨床研究が行われてまいりました。研究の結果、BNCTは大きく進展し、令和二年六月から保険診療を開始されるなど世界初の医療としての実用化が実現しました。 パネルを御覧ください。 BNCTは、がん治療における位置づけがなされており、外科的手術の必要がなく身体的負担が少ない全く新しい治療法であるため、治療を待ち望む患者にとっては大きな希望であり、がん治療が新しいステージに進んだことは大変喜ばしいことと考えております。 もちろん、これがゴールではなく、がん種の適用拡大に向けた研究開発などのさらなる発展が必要でありますが、私は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマである二〇二五年大阪・関西万博を見据えて、BNCTといえば大阪とアピールしていくことが重要と考えます。 そこで、実用化されたBNCTの現状と万博でのPRについて、政策企画部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 川端政策企画部長。 ◎政策企画部長(川端隆史) 次世代がん治療法のBNCTについては、これまで議員の御提言、御支援もいただきまして、大阪府としても実用化に向けて、研究機関等の参画する協議会を設置するとともに、研究開発費の獲得、特区認定等について国に働きかけるなど精力的に取組を進めてきたところでございます。 保険診療開始後の治療件数につきましては、大阪の治療拠点である大阪医科薬科大学関西BNCT共同医療センターによりますと、令和二年度で二十四件、令和三年度四十四件と順調に治療件数が増え、令和四年度は年間で約七十件から八十件程度の見込みと聞いております。 二〇二五年大阪・関西万博は、これまで産官学で取り組んできた研究、医療の成果を広くPRする上で、よい機会と認識しております。 今後、大阪府といたしましても、研究機関や民間企業など関係機関と協働して、大阪、関西が先導してきたBNCTの発信について検討してまいります。 ○副議長(三宅史明) 川岡栄一議員。 ◆(川岡栄一議員) 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。 ○副議長(三宅史明) 次に、大橋一功議員を指名いたします。大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の大橋一功でございます。 御指名をいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。 本年の漢字一文字、これが決まったそうで、訓読みで読んで、いくさ。戦争の戦という字だそうでございます。これが、現在行われているワールドカップのサッカーのような戦であればいいんですが、今、ロシアによるウクライナ侵略戦争から九か月余りが経過をいたしましたが、今なお攻撃は続いております。何の罪もない人命が失われているということを認識しなければなりません。 これに呼応するかのように、今年に入り、隣国の北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返しています。十月には我が国上空を通過させ、府議会としても抗議の決議を行ったところであり、議会でも弾道ミサイルについては度々取り上げられています。 過日、我が会派の山本議員のJアラートに関する質問ももっともなことであり、突然、テレビ番組は中断され、アラートが鳴り響き、避難の文字が出ても、どうすればいいのか、落ち着いて行動できるような人は本当にいるのだろうかと予想されます。 地下施設へ避難や、堅牢な建築物へ、窓側は避けて、といった想定できない一文が画面に表示され、一瞬では理解できない状況となっています。地下施設が周りにないときはどうするのか、どこが安全なのか、あまりにも少ない情報のため、自分には無関係ではないかというような感覚になってしまいます。 防衛省においては、国民を保護する緊急一時避難施設、いわゆるシェルターに関し、今後五年間の整備計画の中で、新設や建て替えを行う自衛隊施設を地域住民向けの地下シェルターとして活用できるような方針で検討していると報道されてございます。 現在、国においては、防衛予算の増額とその財源についての議論がなされております。このような状況を踏まえると、あってはならないことで議論もはばかられますが、大阪府域にそういうことがもしある場合ということも想定しておく必要もあるのではないでしょうか。 仮に、武力攻撃事態等が発生した場合には、国はJアラートの発信などを行い、基礎自治体である市町村は住民の生命を守る避難誘導の役割を担うこととなると思います。 広域自治体である府は何を担うのか、府の責務とは何なのか。武力攻撃事態時に対する府の役割について、危機管理監にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 武力攻撃事態等において、府は国民保護法に基づき、住民の避難、避難住民の救援などの国民保護措置を的確かつ迅速に実施する責務を有しております。 具体的には、武力攻撃事態の発生に伴い、府は国が定める要避難地域の住民に対し、避難先地域への避難指示を行うとともに、主な避難経路と交通手段などを示すこととなります。その際には、鉄道など公共交通機関との調整、バスの借り上げなど避難手段の確保を行います。 また、避難住民等の救援として、府は避難施設等において、市町村の協力を得ながら、水、食料や医療の提供なども行ってまいります。 さらに、国民保護法第百四十八条第一項によるミサイル攻撃などから身を守るためなどの避難施設については、政令市の区域を除く府域において、知事の責務として指定することとなっております。なお、令和四年四月現在、政令市を含め府域全体で三千九百四十四か所を確保しているところでございます。 今後とも、国、市町村、関係機関ともより緊密に連携し、府民の命を守ることを最優先に、国民保護事態に備え、取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) ありがとうございました。 私が質問をさせていただきまして、我が会派だけで、これ、三人目になるんですね。先ほど申し上げました山本議員、そして先ほど要望という形で鈴木議員、そして私と、同様の趣旨だというふうに思います。 これ、やっぱり考えてみたら、一体、自分たちはどうすればいいのか、どのようにできるのかということを、皆それぞれの責務として意識はあるんです。あるけれども、どうすればいいのかというのが常にあります。それと反対に、滅多にないだろうと、こんなことは、ということもあると思います。 お聞きしますと、来年二月に大規模な訓練が行われ、そして初めてやられるというふうにお聞きいたしておりますけども、危機管理監、大阪府域でやっぱり危機管理監の会議とかありますよね。こんなときに一度、府民の意識調査みたいなん、できないのかなというような思いを今して立ってるんです。どうか一度、御検討ください。よろしくお願いします。 次に、大阪・関西万博における公正性の確保についてお聞かせをいただきます。 東京オリンピック・パラリンピックをめぐる入札の談合疑惑が、終了後も引き続き報じられていますが、大会後にこのような報道がなされますと、世界的なスポーツの祭典を目の当たりにした感動や、トップアスリートのパフォーマンスや、当時の盛り上がりも台なしになってしまいかねないと考えます。 同じく大規模な国際イベントであります大阪・関西万博も、開幕まで二年半を切り、これから先、万博の準備が進み、その絵姿をイメージできるようになると、皆さんの万博への期待やわくわく感がより膨らみ、さらなる万博の盛り上げにつながるのではと期待をするところでございますが、一方で準備が具体化すればするほど、例えばパビリオン等の建設や会場内でのイベントなどその利害関係者も多岐にわたることなど、新しいイノベーションや生命科学といった未来の実験場がまさに舞台になります。 博覧会協会が今後進める万博に向けた準備作業においては、より一層の公平性、公正性の確保が必要になってくると考えますが、あまり、当然なことではありますけれど、法律家である吉村知事にお聞きするのは大変失礼かと思いますが、あえて知事に御所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 東京オリンピック・パラリンピックをめぐる入札の談合疑惑は、アスリートがまさに夢をかけて世界一を争い、多くの人に驚きや感動を与えるスポーツの祭典にとって大変不名誉なことでありまして、非常に残念に思います。 大阪・関西万博においても、このような事態を招かないように準備を進めていくということは、非常に重要、当然のことだというふうに思っています。 これまで博覧会協会において、会場建設や施設整備、機運醸成、企業、団体等を対象にした協賛募集など様々な準備が行われていますが、ルールにのっとり適切に取り組まれていると認識をしています。 開幕まであと八百五十日余りとなりました。いよいよ万博に向けた動きがさらに本格化する中で、博覧会協会においては、引き続き公平性や公正性を担保して準備を進めてもらいたいと思います。また同時に、私自身も理事の一人として、その取組をしっかりとチェックしていきたいと思います。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) 御答弁いただき、ありがとうございました。 今朝の新聞、早速、拝見いたしました。二〇二五年大阪・関西万博のキャラクターと知的財産とを一元管理し販売等する事業者募集の事務局の開設に対し、コンプライアンスをしっかり守りながらルールに基づいてライセンス契約を進めてもらいたいと、早速、吉村知事から注文をしたという報道を見ました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、万博公式参加者の宿舎について、お伺いをいたします。 本年三月まで開催されていましたドバイ万博の宿舎は、会場の隣接地に新設された万博村にあり、主に一人から二人向けに六十平方メートル超の一LDKが用意され、参加者からは快適に過ごせたと好評だったという話を聞いています。 一方、大阪・関西万博では、自治体等の所有する公的住宅や民間の賃貸住宅などを宿舎として借り上げるとのことですが、先日、知事、市長と関西の各領事との面談の際、一部の参加国から、会場までの移動時間や交通の利便性を考慮して宿舎を確保してほしいとの要望が上がっているといった内容が、報道で取り上げられておりました。 大阪・関西万博は、コロナ後の国を挙げた一大国際イベントでもあり、来場者のおもてなしはもちろん、参加国のスタッフの皆さんにも、期間中、快適に大阪で滞在していただきたいというふうに思っています。 参加国の宿舎の確保は、博覧会協会において取組が進められていると思いますが、現在の取組状況について、万博推進局理事にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 後藤万博推進局理事。 ◎万博推進局理事(後藤克己) 大阪・関西万博の公式参加者の宿舎につきましては、BIEに提出した登録申請書において九百九十戸、二千百人分の住宅を確保することを検討するとされております。 これを踏まえまして、博覧会協会と大阪府市、関経連が連携して、公営住宅や民間賃貸住宅、宿泊施設などから通勤一時間以内で最寄り駅から徒歩十分程度に立地し、一か所で百人以上の居住が可能で、建物全体を協会が賃貸できることなどの条件を満たす物件の掘り起こしを進めてきており、一定のめどが立っているところです。 今後、博覧会協会において、二〇二三年度末には各物件の賃料や入居に当たっての留意事項を取りまとめ、二〇二四年度に参加国から入居申請を受け付ける予定です。あわせて、滞在中のスタッフに対し英語によるサポート窓口を設置するなど、良好な生活環境づくりも含めて、二〇二五年三月の入居開始に向けて着実に準備が進められているところでございます。 今後とも、博覧会協会、経済界と連携し、大阪府市として引き続きできる限りの協力を行ってまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) ありがとうございました。 いわゆる大阪は開催地であり、ホストタウンでありますんで、長期間に及びます滞在に皆さん方の利便性を高めていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 次に、府庁DXの検討状況についてお聞かせいただきます。 本年の五月議会で、府庁のIT化について質問をさせていただきました。 スマートシティ戦略部長から、府庁のシステムには、サーバーの使用率がおおむね一〇%のシステムも多いなどの課題があると御答弁をいただいております。 それぞれの部局が銘々に発注し、それぞれのベンダーが張りつくという府庁のシステムにこのような無駄があることをお聞きして、私は非常に危機感を持っております。 また、本年十月、本会議場でも度々指摘をされております大阪急性期・総合医療センターが受けたランサムウエアによるサイバー攻撃を踏まえると、府庁のDXを進める際にはセキュリティーの確保といった観点も十分考慮しておくべきであると考えます。 こうしたことも踏まえ、本年四月に設置された大阪DXイニシアティブにおいて府庁DXに係る検討を進めていると聞いておりますが、五月議会の御答弁では、府庁全体の最適化に向け、ハードウエアの一元化や、二百四十もあるソフトウエアの標準化、共通化を推進していくとのことでありましたが、現在の取組状況をスマートシティ戦略部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 坪田スマートシティ戦略部長。 ◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 本年八月の大阪DXイニシアティブ会議におきまして、ソフトウエアは標準的な既存のサービスやパッケージを極力適用していく、あるいはハードウエアはクラウドサービス上に、これは外部のクラウドサービスという意味と庁内のプライベートクラウドという二つの意味でございますが、そこに可能な限り集約していくといった情報システムの最適化の方向性をお示ししたところでございます。 これによりまして、ベンダーロックインの解消ですとかサーバー資源の有効活用など、現在抱えている課題の解決を図るとともに、御指摘のようにセキュリティーレベルの向上も図ってまいります。 現在、一つ一つのシステムにおける外部サービスパッケージソフト等の適用や、あるいはハードウエアの集約につきまして、システム所管部局と調整を進めており、各システムが抱える課題や今後の方向性等を管理するためのシステムカルテの整備に取り組んでおります。 年度末までにシステムごとの課題解消の方向性等を整理し、これを基に来年度以降、民間並みの全体最適化に向けた取組を計画的に進めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) 御答弁いただきました。 府庁、ようやく動き出したというような感じが率直な感想です。しかし、取組も迅速に行うことが重要でありまして、東京や他府県に先越されることなく取り組んでいくべきです。前にも申し上げましたが、府庁DXを強力に推進していくに当たっては、デジタル人材の確保を含め、無駄のない最適な推進体制の確保は重要であると考えております。 大阪DXイニシアティブにおいて、大阪府のDX推進のため、外部化も視野に入れた最適な推進体制については検討を進めてこられたのかどうか、推進体制についての検討状況をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 坪田スマートシティ戦略部長。 ◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 八月の大阪DXイニシアティブ会議では、事務局から、デジタル改革を持続的に推進するための体制の構築に向けて、庁内のデジタル化機能の強化を進めるとともに、外部化も含めた多様な選択肢の検討を進めていくという考え方をお示しし、議論いたしました。その結果、デジタル人材の強化による庁内のデジタル化機能の強化が急務との方針が示されたところでございます。 このため、推進体制の強化に向けましては、まずは職員のスキルアップに向けた研修の実施などの内部人材の育成強化とともに、外部の専門人材の獲得の検討も進めているところでございます。 並行しまして、委託業者による調査結果や有識者の意見も踏まえまして、年度末までに調達面や予算面も含めた制度の在り方につきまして検討を深めるとともに、外部化も含めた推進体制の選択肢を整理してまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) 御答弁いただきましてありがとうございました。私はこれ、応援団のつもりで質問をさせていただいております。他団体に先駆けしたすばらしいDX推進体制の取りまとめを期待いたしております。よろしくお願いいたします。 次に、大阪湾サイクルラインについてお聞かせいただきます。 我々、大阪維新の会府議会議員団では、十一月三十日に都市住宅常任委員会所属の議員を中心とした都市住宅部会で、石川県を訪問させていただきました。 許可なく顔を写させていただいておりますが、よろしいですね。 自転車活用計画について、現状をお聞きしてまいりました。 石川県では、もともと充実した大規模自転車道が約百六十キロあり、さらなる観光振興のツールとしてサイクリングを活用するため、平成二十八年度に県と市町が主体となって、サイクリングルート整備計画策定協議会が設置され、整備計画の策定や路面標示の設置やルートマップの作成、サイクルラックの設置等を行い、翌年度にはいしかわ里山里海サイクリングルート利用促進協議会を設置、そして現在では県下全域で全七ルートが設定され、路面標示や案内表示の充実を図るとともに、七十四のサポート施設を設置し、今後は国のナショナルサイクルルートの指定を目指し、北陸三県が連携して、北陸におけるサイクルツーリズムを活用した観光誘客を推進することといたしておるそうでございます。 実際の自転車道に沿ったレストハウス、これ、有名な能登の千里浜レストハウスでございます。全国で一か所だけ、砂浜をバイクや自転車が走れることができるというところでございます。 ここには、県の補助を受けたレンタサイクルが設置されております。観光客の利用に供されているとのことで、当日は天候がよくなかったんで、中で説明を聞かしていただきました。 大阪府でも、さきの九月議会の我が会派の代表質問において、二〇二五年の大阪・関西万博を契機に、国内外から多くの来阪者が安全で快適に府内各地を周遊できる環境の充実に向け、(仮称)淀川、大和川、石川、大阪湾の四つのサイクルルートで、自転車通行空間の整備や統一的な案内サイン等の設置をしていくと示されたところでございます。 私の地元の泉州地域は、大阪湾に面し、豊かな自然や歴史文化的資源に恵まれ、さらには伝統的な祭りなどがあり、(仮称)大阪湾サイクルラインを整備し、和歌山県の太平洋岸自転車道と接続すれば、サイクリストが地域を巡り、沿線地域の活性化に資すると思いますが、現在の検討状況及び今後の予定について、都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) (仮称)大阪湾サイクルラインは、大阪都心部から大阪湾沿いを通り、和歌山県の太平洋岸自転車道に至る延長約五十キロメートルのルートで、本年八月に発表した広域的な自転車通行環境整備事業計画に、検討中エリアとして位置づけたところでございます。 現在、世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群や、大阪で最も古い公園の一つである浜寺公園をつなぐなど、ルートの具体化に向け、沿線の市と町をはじめとする関係者と調整しております。 本サイクルラインは、議員お示しのとおり、万博開催時に来阪者が府内各地を周遊する役割を期待されていることから、まずは万博開催までに優先して整備する区間等につきまして、令和五年度中に関係者で合意形成を図ってまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) 御答弁いただきまして、ありがとうございました。よろしくお願いします。 私、この質問させていただくまでに、サイクリストを育てておられる方にお会いしてお話を聞かせていただきました。この大阪湾のサイクルルート、非常にきれいで、そしてまたグルメがたくさんあるというようなこともおっしゃられておりまして、そういうところもこれから紹介されていったらもっとよくなるんではないかというふうにおっしゃられておりましたことを御報告いたします。 サイクルルートには、路面や案内表記に英語での表記やピクトグラム等を駆使して、見て楽しくなるような案内表記をお願いしたいと思います。 自転車道が各地で整備されているヨーロッパ等では、年齢に関係なくサイクリングが盛んだと聞いております。石川県でも、まちなかでレンタサイクルを利用した海外からの観光客が名所旧跡を巡る姿がよく見られるそうですが、中には金沢市内から遠く能登半島の輪島まで行き、輪島塗を求める欧米の方もいるそうであります。 現在は、新型コロナによる渡航規制や入国が緩和され、徐々にではありますが、大きなスーツケースを引いたインバウンドの方々が来阪されつつあります。 これまで、大阪には、中国や東アジアのインバウンドが多く、今後は滞在日数の多いと言われる欧米豪の観光客をどう誘客できるかというのが課題であり、サイクルツーリズムは欧米豪の観光客誘致の一つのツールとなると考えております。 今回質問いたしました大阪湾サイクルラインも、整備後は、御答弁いただきましたように、千葉県から和歌山県へと続く国土交通省が指定しておりますナショナルサイクルルートの太平洋岸自転車道に接続できれば、大阪のブランド力の強化の一つとなり、世界中へ発信できるサイクルルートとなります。府県を越えた連携をぜひお願いしたいと思います。 最後に、港湾におけるカーボンニュートラルに向けた取組についてお聞きをいたします。 我が国では、二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指していますが、そのためにはCO2を排出しない水素等、次世代エネルギーの活用が不可欠であると考えられております。 先日、我が維新の会では、テーマをCNPから見る日本の脱炭素化と題する政策勉強会が、オンラインで開催されました。 ジェトロの脱炭素化、ロジスティックスアドバイザーの講演があり、ロサンゼルス、ロングビーチ港の取組の紹介がありました。 全米最大のロサンゼルス港は、環境問題において先進的に取り組み、特に二〇一七年に改訂された計画は、二〇三〇年までにコンテナ荷役機器を全てゼロエミッションにし、出入りするトラック約二万二千台を二〇三五年までに全てゼロにするという挑戦的な目標を設定し、実行中であるということであります。 この計画は、NOX、SOX、DPM、CO2を削減としているところであります。 旧式のトラックの使用禁止や違反者への課金といった厳しい措置が取られ、全てのトラックはZEV化、いわゆるゼロエミッション化する、ディーゼルエンジンなどを使用するクレーンは水素燃料へ変更するといったものでありますが、水素を貯蔵したり運搬供給したりと、港湾法での可燃物の取扱規制の厳しい日本の港では難しい点がございます。 私の地元にある堺泉北港は、LNG等を輸入し背後圏へ供給するエネルギー拠点であることから、将来の次世代エネルギーを安定的に大量に輸入する拠点港としてポテンシャルを有していると考えております。この堺泉北港を拠点として、臨海部のみならず、さらにはその背後圏へと面的に広がる次世代エネルギー利活用社会の実現につなげていくことが期待されます。 堺泉北港が次世代エネルギーの拠点となるために、水素等を貯蔵する施設等についてエネルギー事業者による整備が必要なほか、その取組を促進する一つの方策として、例えば水素の取扱いに関する規制を緩和することも必要と考えられます。 大阪港湾局においては、カーボンニュートラルポート、略してCNP形成計画の策定に向け検討を進められているとのことであります。その中で堺泉北港を次世代エネルギーの輸入拠点化とすることが議論されていると聞いておりますが、今後、どのように取り組むのか、また、拠点化に向けては、次世代エネルギーの取扱いに関する規制緩和等が必要と思われますが、どのように進めるのか、大阪港湾局理事にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 佐藤大阪港湾局理事。 ◎大阪港湾局理事(佐藤広章) 大阪港湾局では、堺泉北港、阪南港、大阪港におけるカーボンニュートラルポート形成計画、略してCNP形成計画につきまして、今年度中の策定に向けて、港湾立地企業等も参画する大阪”みなと”CNP検討会を設立し、これまで三回の検討会を開催するなど検討を進めております。 本年九月に公表した堺泉北港のCNP形成計画素案では、CNP形成に向けた方針といたしまして、水素等の次世代エネルギーの輸入拠点の形成について検討を行うことを盛り込んだところです。 引き続き、形成計画への位置づけに向けて、次世代エネルギーの需要推計や、各事業者の次世代エネルギーに関する取組について意見交換を重ねてまいります。 また、次世代エネルギーの取扱いに係る法規制、基準などの緩和措置等につきましては、拠点化に向けて各事業者から問題が提起されているところであり、全国的な課題でもありますことから、大阪港湾局としても積極的に国に働きかけてまいります。 ○副議長(三宅史明) 大橋一功議員。 ◆(大橋一功議員) ただいま御答弁いただきました。 エネルギーの新たな時代に入り、事業者の考え方も取扱い方も変わってくると予想されますが、またこれも変わっていかなければ脱炭素化はなし得ないというふうに思います。 国への緩和に対する働きかけは引き続きお願いいたしますが、事業活動を行っている事業者の協力は必須であります。これまでとは違った展開への誘導については、主体となる事業者に対するインセンティブが必要であると考えます。このことも併せて現場の意見として、国に強く要望していただくようお願い申し上げます。 以上で、私の一般質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(三宅史明) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明十二月十五日午後一時より会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○副議長(三宅史明) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 十二月十五日の議事日程は、当日配付いたしますので、御了承願います。    -------◇------- ○副議長(三宅史明) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時三十四分散会...